2016年10月28日

<奈良県桜井市>市立図書館における指定管理者制度の現状と課題について

今日は、奈良県桜井市に来た。

桜井市は、奈良市の南20キロほどのところにあり、
弥生時代や古墳時代の前方後円墳などの古墳が多く今日まで残っている。

国史跡が15あり、明日香村25、奈良市20に次ぐ多さである。

図書館に着くと変わった形の図書館ですぐに前方後円墳だとわかった。
http://www.city.sakurai.lg.jp/shisetsu/library/1394776845321.html

自転車の駐輪場も屋根が瓦屋根で歴史の風格を漂わせる図書館である。
もともと小学校だったところのようで平屋で開放的に造っている。

図書館建設までの沿革は

平成2年 図書館構想検討委員会を設置
平成7年 図書館等建築検討委員会を設置
平成8年 図書館建設準備室を設置
平成9年 実施設計業務委託
平成10年 建設工事着工
平成11年 建物本体工事竣工 10月開館

桜井市立図書館は、平成23年4月から指定管理者制度で運営を行っている。
<奈良県桜井市>市立図書館における指定管理者制度の現状と課題について
そこで、「市立図書館における指定管理者制度の現状と課題について」研修を受ける。

運営を担っているのは、
株式会社図書館流通センターで、
図書館向け書籍販売、図書館管理業務の受託などを行っている企業である。

指定管理者制度導入に向けての概要は、

平成22年
9月 指定管理者募集要項・仕様書等の配布
10月 申請書類受理
11月 プロポーザル審査
12月 市議会議決

平成23年
1月 業務引継打ち合わせ(以降、原則毎週実施)
3月 基本協定書の締結 蔵書点検
4月 年度協定書締結 指定管理者制度開始

※図書管理用カードの有効期限を3年間に
※図書館資料貸出上限5冊→10冊

平成22年の第1回目の公募では2社から応募があり、
株式会社図書館流通センターに決まった。

3年後の2回目の公募では、株式会社図書館流通センターのみで、
今年度は3回目の公募を現在、行っている。

(つづく)

写真は、本をきれいにする機械



<視察報告>
桜井市は、奈良市の南20キロほどのところにあり、弥生時代や古墳時代の前方後円墳などの古墳が多く今日まで残っている。
国史跡が15あり、明日香村25、奈良市20に次ぐ多さである。
図書館に着くと変わった形の図書館ですぐに前方後円墳だとわかった。
http://www.city.sakurai.lg.jp/shisetsu/library/1394776845321.html
自転車の駐輪場も屋根が瓦屋根で歴史の風格を漂わせる図書館である。
もともと小学校だったところのようで平屋で開放的に造っている。

図書館建設までの沿革は

平成2年 図書館構想検討委員会を設置
平成7年 図書館等建築検討委員会を設置
平成8年 図書館建設準備室を設置
平成9年 実施設計業務委託
平成10年 建設工事着工
平成11年 建物本体工事竣工 10月開館

桜井市立図書館は、平成23年4月から指定管理者制度で運営を行っている。
運営を担っているのは、株式会社図書館流通センターで、図書館向け書籍販売、図書館管理業務の受託などを行っている企業である。
指定管理者制度導入に向けての概要は、

平成22年
9月 指定管理者募集要項・仕様書等の配布
10月 申請書類受理
11月 プロポーザル審査
12月 市議会議決

平成23年
1月 業務引継打ち合わせ(以降、原則毎週実施)
3月 基本協定書の締結 蔵書点検
4月 年度協定書締結 指定管理者制度開始

※図書管理用カードの有効期限を3年間に
※図書館資料貸出上限5冊→10冊

平成22年の第1回目の公募では2社から応募があり、株式会社図書館流通センターに決まった。
3年後の2回目の公募では、株式会社図書館流通センターのみで、今年度は3回目の公募を現在、行っている。


<利用実績>

平成22年度(直営)
○施設利用者数 12,381(188件)
○開館日数 283
○入館者数 132,090
○貸出冊数 198,433
○登録者数 39,965

収入
○施設使用料 2,394,500
○コピー使用料 87,340
合計 2,481,840

支出
○人件費 40,972,000
○光熱水費 10,690,587
〇施設管理費 12,939,989
〇修繕費 1,299,582
〇事務費等 1,625,882
〇自主事業 85,000
〇新聞雑誌購入費 716,918
合計 68,329,958

市予算
〇図書購入費 5,188,957
〇システム使用料・借り上げ料 2,022,339


平成23年度(指定管理者 TRC)
○施設利用者数 13,556(224件)
○開館日数 275
○入館者数 130,786
○貸出冊数 190,762
○登録者数 41,180

収入
〇指定管理料 55,000,000
○施設使用料 2,327,800
〇設備使用料 490,700
○コピー使用料 72,220
〇自主事業収入 62,892
合計 57,953,612

支出
○人件費 21,713,211
○光熱水費 10,018,157
〇施設管理費 12,959,383
〇修繕費 2,001,720
〇事務費等 8,068,579
〇自主事業 100,938
〇新聞雑誌購入費 981,502
合計 55,843,490
差引残額 2,110,122

市予算
〇図書購入費 4,827,389
〇システム使用料・借り上げ料 3,378,920
〇その他諸経費 499,513
合計 8,705,822


平成27年度(指定管理者 TRC)
○施設利用者数 19,738(300件)
○開館日数 289
○入館者数 135,503
○貸出冊数 198,905
○登録者数 16,508

収入
〇指定管理料 56,250,000
○施設使用料 2,967,740
〇設備使用料 696,800
○コピー使用料 48,010
〇提案事業収入 18,000
〇その他収入 148,079
合計 60,128,629

支出
○人件費 23,637,812
○光熱水費 11,327,253
〇施設管理費 13,315,402
〇修繕費 1,376,555
〇事務費等 10,034,708
〇提案事業費 89,288
〇新聞雑誌購入費 954,006
合計 60,735,024
差引残額 △606,395

市予算
〇図書購入費 5,178,622
〇システム使用料・借り上げ料 6,051,624
〇その他諸経費 2,354,661
合計 13,584,907


<考察>
昨年、7月に政務活動で視察した富山県舟橋村の村立図書館は、富山地方鉄道舟橋駅と一体化した施設で、平成10年のオープン以来、村民一人当たりの年間貸出冊数が40冊を超え、全国1位を続けている。
ただ、図書貸出数は、平成14年度166,265冊をピークに減少していて平成26年度は101,081冊、村民一人当たり33.3冊となっていて、ピーク時に比べて村民一人あたりに換算すると半分ほどになっている。
今年2月に政務活動で視察した兵庫県加東市は、個人に貸し出した冊数を、人口で割った平成25年度の貸出密度が人口3万人以上4万人未満の全国4万人未満の全国172自治体で最多となり、9年連続日本一だが、平成24年度をピークに(738,549冊)減少している。
当町の図書館も平成21年度の435冊/日をピークに減少し、平成27年度は308冊/日となっている。

図書の貸出数の多い図書館でも近年、減少傾向となっているが、桜井市立図書館は、指定管理者制度の導入もあり、近年もほぼ同じ数字で貸出数が推移している。
指定管理者制度の導入は、経費削減と民間企業のノウハウを活用できる面でプラスの面が見られる。
今後、当町が図書館を整備した際、さらに職員の配置が必要になる可能性もあるので、指定管理者制度の導入は、検討課題となる可能性がある。

ただ、桜井市では、導入にあたっての公募では、23年度開始当初では2社からあったようだが、26年度は1社、来年度に向けても現在1社しか応募がないようである。1社しか名乗りを上げないような公募の状況は、あまりいいとは思わない。

また、桜井市立図書館では、歴史的な史跡の多い自治体ということもあり郷土資料のコーナーも充実していたが、指定管理者制度では、司書の異動により、より専門的に郷土の歴史について、どれだけ継承していけるのか疑問を感じなくもない。
地域の歴史や文化、伝統などの資料・情報の収集については、市民主体の「地域の自立」には欠かせないと思われる。

清水町では、読み聞かせボランティア「おはなしクック」や清水町のむかしばなしの伝承に努めている「グループ・トンボの目」が活動をしている。そうした団体の取り組みは、町にとって大切な文化的財産であり、伝統の継承活動であるので、指定管理者制度が検討された際には、そうした団体が、より発展的に活動できるような仕組み作りを十分に議論しておく必要がある。

また、指定管理者制度を導入するには、図書貸出以外の部分でどのように収益を上げる仕組みが作れるかという部分が重要になるが、桜井市立図書館では、ホールや会議室があり、そうした貸館業務やカフェなどの飲食コーナーの設置を考えないと難しいと思われる。
今後、当町が建設を予定している図書館でそうしたことが可能なのかどうか検討する必要がある。
全国的には、指定管理者制度を導入したが、再び直営に戻した図書館もあるので、なぜそうなったのか、そうした事例も研究してみる必要性があると思われる。

現在、町内の小学校でも学校司書を2人、巡回して配置しているが、学校図書室と町図書館の連携を図る必要性も高まっていくと思うので、人事異動や交流を積極的に行っていくべきと考える。
そして、小学生の子ども達が気軽に町の図書館を利用してもらうような仕組みづくりを考えていければと思う。

桜井市立図書館では、雑誌スポンサー制度を導入しており、これまでも加東市などで雑誌スポンサー制度を活用している事例を見たが、桜井市では、指定管理で行っていることもあり、スポンサーの時期や支払い方法など柔軟に対応している。



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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 23:18 │視察・研修図書館

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