2017年01月03日

<政務活動費>給油代請求、領収書不要も 静岡県議会 透明性に疑問

下記、29日の静岡新聞

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給油代請求、領収書不要も 静岡県議会政活費 透明性に疑問
静岡新聞 12/29(木) 8:10配信

 他人名の給油レシートを政務活動費に計上するなどの問題が明らかになった静岡県議会で、ガソリン代の請求に1キロ37円の単価方式を選んだ場合、領収書など第三者のチェックが可能な資料は必要なく、議員の自己申告に委ねられている実態が、28日までの静岡新聞社の取材で分かった。税金が使われる政務活動費に県民の厳しい目が注がれる中、議会内部からも見直しを求める声が上がっている。

 県議会事務局によると、ガソリン代は主に給油額の2分の1を支給する方法と、1キロ単価37円と走行距離で算出する方法がある。2分の1支給の場合は領収書の添付が必要なのに対し、単価方式は活動日と目的、区間、走行距離を一覧にして提出すればいいことになっている。

 静岡新聞社が2015年度の支出証拠書を調べたところ、県議全69人中、単価方式を選んでいたのは32人。1年間のガソリン代請求額が50万円を超えた4人は、いずれも単価方式の請求だった。

 最も多かったのは、約3万1千キロ走ったとして約116万円を請求した県東部選出の議員。1カ月では最高3589キロ、13万2793円だった。この議員は静岡新聞社の取材に「東部全域をカバーしているから走行距離が増えた」と説明。「走行距離は毎回手帳にメモしているが、政務活動で使っていることを100%証明するのは難しい。議会の質疑を見てもらって、政務活動費でどんな調査をしているのかを知ってもらうしかない」と答えた。

 政務活動費の不適切な使用が指摘される中、自ら制度の不備に触れる議員も。1カ月間に2900キロ走り、10万7300円を請求していた県西部選出の議員は「現在の提出書類では説明責任は果たせない。みんな変える必要があると思っている」と本音を明かした。別の議員も「疑いの目を向けられるのは不本意。私用車ではなく、利用証明ができる公用車を用意するなど、検討するべき」と話した。



 <メモ>政務活動費 議員による調査研究、研修、広報などの経費として議員報酬とは別に税金から支給される。資料の作成費や研修の参加費などに充てられ、後援会や選挙、政党の活動には支出できない。2014年に発覚した兵庫県議の不適切な支出は、刑事事件に発展した。富山市議会では16年、議員による不正が相次いで判明し、12人が辞職する事態になった。

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<静岡県議会政活費問題>識者が指摘 給油代請求「単価方式」
静岡新聞 12/29(木) 8:09配信

 1キロ37円の単価方式を選んだ場合、領収書の添付が必要とされず、第三者のチェックが難しい―。静岡県議会の政務活動費に関する静岡新聞社の28日までの調べで分かったガソリン代請求の実態に、識者もルールの不備と見直しの必要性を指摘する。

 「政治資金オンブズマン」共同代表を務める上脇博之神戸学院大教授(憲法学)は、目的や距離の記載が自己申告である以上、客観的な証明は難しいとし、「政治活動や私用でなく、必ず政務活動に使ったという証明ができないなら、支出を認めるべきではない。年間100万円を超えるガソリン代は、『第2の報酬』とみられても仕方ない」と強調する。

 日詰一幸静岡大教授(行政学)も「1カ月10万円超のガソリン代は一般的に見て高すぎる」とした上で、「県議会の運用指針で、県外調査のための支出には調査概要書の添付が必須だが、県内調査では求められないというのはおかしい」と疑問を投げ掛ける。「遠距離でも近距離でも公金が発生している以上、同じ扱いにすべき。政務活動費は県民に還元するための費用という原点を、議員と会派、議会事務局はいま一度、見直してほしい」と求める。

 県議会事務局によると、ガソリン代の請求に関する現行制度は2008年度に採用された。単価方式については「当時、他の都道府県議会を確認し、一番多いケースだった」ことを踏まえ、1キロ当たり37円の額を設定したという。

 14年の兵庫県議による政務活動費の流用事件を受け、静岡県議会は同年度、各会派の経理責任者の議員らによる会議を5回開き、運用指針の見直しについて話し合った。事件では電車代の支出が問題になったことから、公共交通機関の利用料金について請求時の領収書添付を原則とするよう規定を改めた。一方で、ガソリン代は議論の対象にならなかったという。

 県議会の政務活動費が問題となった今回、各会派は1月中旬をめどに政務活動費の運用に関する課題を集め、経理責任者会議で改善に向けた議論を進めていくとしている。

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清水町議会では、基本的に視察等で政務活動費を使う場合は、
電車等の公共交通機関を使うが、
複数の議員で行く場合などクルマや貸切バスを利用した方が安くなる場合は、
そちらを使う場合もある。

その場合、貸切バス代やガソリン代、高速代も政務活動費に含み、
領収書を添付する。



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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 16:41 │議会改革

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