2014年01月20日

藤原和博氏(教育改革実践家/杉並区和田中学校・元校長/元リクルート社フェロー)の講演

今日は、平成25年度静岡県地方議会議長連絡協議会第2回政策研修会で
静岡市のホテルセンチュリー静岡へ。
藤原和博氏(教育改革実践家/杉並区和田中学校・元校長/元リクルート社フェロー)の講演
講師は、藤原和博氏(教育改革実践家/杉並区和田中学校・元校長/元リクルート社フェロー)で
「つなげよう!学校と地域社会~子どもたちの未来を拓くために」と題して講演していただく。

私は、藤原氏の講演は2回目で3年半前に東京でお話を聴く。

藤原和博(ふじはらかずひろ)氏は、
2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として
杉並区立和田中学校の校長を務め辣腕をふるい、
「よのなか科」「夜スペ」「地域本部」などを立ち上げ、
子どもたちの学力向上に取り組み、
現在は、大阪府知事特別顧問、東京学芸大学客員教授を務め、
全国で講演活動を行い、
これまでの取り組みを紹介しているという。

特に大阪府では、2008年から知事特別顧問として
教育改革に取り組んだ結果、
半年の取り組みで
第3回全国学力テストが
小学国語Bが昨年の45位から34位になるなど、
小学生の国語・算数の全分野で順位が上昇した。

藤原さんは、1955年の東京生まれ。
東大経済学部卒業後、(株)リクルートに入社。
東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、
1993年よりヨーロッパ在住、96年同社フェローとなる。

3年半前に聴いた内容とかなり重複しているが、
新規の話も入れると、
和田中学校は、藤原さんが校長をしたときは、
全校生徒が169人で、
統廃合の対象となるような学校であったが、
現在は450人ほどになり、
公立学校なのに希望者が全部入れないで
去年と一昨年は抽選になっている。 

杉並区23校の中学校で21位だった成績が
8年で1位になった。

藤原さんの後、同じリクルート出身の民間校長を選び、
学校運営協議会(コミュニティスクール)で承認を得てバトンタッチさせた。

英語は独壇場で全国で40位以内の成績。(全国1万校)


1.今の教育は何が問題か

20世紀の成長社会から21世紀は成熟社会となった。

求められる能力も
「情報処理力」から「情報編集力(つなげる力)」へと変わった。

正解を見つける教育から納得解を導き出す力が必要になった。

山一証券の倒産で象徴される1997年で成長社会の終了。

日本人の個人消費は鈍化していった。

成熟社会は、
それまで「みんな一緒」でよかったものが、
コンビニ、通販に代表されるように「それぞれ一人一人」の時代へなった。

結婚式の引き出物はカタログとなった。

正解が一つではない社会「正解主義」から「修正主義」の時代。

講演の中でブレストを行った。

藤原さんが「今までにないタイヤ」というお題で
ブレストを行う。

食べられるタイヤなど
一見くだらないような発言をし、
自分の脳の拡張をする。

それが、のびしろ=情報編集力となる。

頭の回転の速いやわらかい頭となっていく。

和田中学校では、
地域社会の方がボランティアで先生をやtっているが、
小中学生の面白い意見を利用するという考え方で取り組んでいる。

学校では、先生と生徒の縦の関係、
友達同士の横の関係があるが、
斜めの関係が不足している。
兄弟、地域の人たちが、そうした役割となる。

学校の放課後に地域の人たちと触れ合う機会を作る。


2.学力テストの「学力アップのために」には、
先生が生徒に試験問題を丁寧に配るだけでも違う。

学力テストを「しっかりやるように」と配るだけでも5点上がる。
「できたら見直すように」で2~3点あがる。

子どもたちに成績と関係ないからと問題をやらすより、
そうした気配りで学力テストの成績は上がる。

「学力アップ」のためには

①朝読書×編集力→読書新聞(言語活動活発に)
 朝読書をやっているところはどこでもあるが、
 ただ読むだけではなく、それを自分自身で書評をするなどまとめることが重要。

②漢字や計算の反復→ニンテンドーDSなどICTで
 つまらない計算ミスをすると先生や親は怒ってしまうが、
 ゲームは怒らないのでいい。

③上位者を引き揚げろ→ミニ先生を増やそう!
 成績上位者は、まわりのできない生徒をフォローするので結果、全体的に成績が上がる。

④中学校50分授業を45分に/小学校45分→40分→モジュールの時間で反復を
 授業時間を短縮し、その分でDSなので反復計算などをしている。

⑤地域社会の合意をとる→勉強することが大事という価値観
 (学校支援地域本部)

「子どもは学んでいる大人の姿から学ぶ」

小学校は、おやじの会など親がかかわってもいいが、
中学生は、親が出ると子どもが恥ずかしがるので
利害関係のない地域の人など第3者(斜めの関係)が重要である。

学校のボランティア先生などは、校長が自ら頭を下げて集めている。
全ては子どもたちの未来を拓くため。

生徒の約半分が200人が土曜寺子屋に来る。

地域本部に学校図書館の運営を任せている。

学校を核に地域を再生する。


3.日本人の人生観が変わる!!

人生を富士山のような30~50代を人生の頂点とした山をつくるのではなく、
八ヶ岳型のような広範に向けてコミュニティを重ねていく。

一つの人生観んでよかったのが、複線型にしていかなければならない。


最後に自分の書籍を紹介
○『坂の上の坂」
○『今、話したい「学校」のこと: 15歳からの複眼思考
○『負ける力』


タグ :藤原和博

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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 19:11 │教育・学校

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