2021年01月02日

<太平洋戦争戦没者>政府、海没遺骨収容へ 現地調査 船内に多くの遺骨

下記、12月30日の毎日新聞

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政府、海没遺骨収容へ 太平洋戦争戦没者、来年にも現地調査 船内に多くの遺骨
12/30(水) 18:05配信 毎日新聞

 政府は太平洋戦争戦没者の遺骨収容事業で、撃沈された艦船の乗員など今も海没したままの遺骨を収容する方針を決めた。約30万体が外国の海で眠っているとされるが、これまでは「水葬」と同様に扱い、永眠の場所になっているなどとして原則的に収容していなかった。近年、ダイバーが遺骨を見つけて画像を公表するなどし、遺族らから収容を求める声が出ていた。


 2016年に戦没者遺骨収集推進法が成立し、遺骨収容が国の責務となったことを受け、厚生労働省は海没遺骨の収容について本格的な検討を始めた。既に在外公館を通じ、海外のダイビング業者に情報提供を呼びかけており、新型コロナウイルス感染症の流行が収束すれば来年にも現地調査をする。ダイバーが潜れる水深約40メートルまでの浅瀬にある遺骨を、主に収容する予定だ。海中では保存状態がよいことが多く、DNA鑑定での身元特定が期待されている。

 太平洋戦争では、旧軍の艦船に民間からの徴用船も含め海外で約2290隻が海に沈み、約30万人が戦没したとされる。現場の海の深さによっては技術・安全面などの課題があることや、航海中の船舶で死者を水葬する慣習から「海自体が戦没者の永眠の場所であるという認識もあり、(収容は)原則として行わない」(1994年の国会答弁)というのが政府の見解だった。これまで収容したのは浅瀬で遺骨が人目につく場合などで実績は670体にとどまり、収容事業が進む中、海没遺骨は取り残される形になっていた。

 しかし、日本海軍の基地があった中部太平洋・トラック諸島(現ミクロネシア連邦チューク諸島)などはダイビングが盛んで、観光ダイバーが遺骨を目にする機会が増えた。現地で沈没した艦船などを撮影してきた水中写真家の戸村裕行さん(38)は「船内には今も多くの遺骨が残されている」と証言する。

 近年はインターネットで海没遺骨の画像が投稿されることもある。16年、トラック諸島沖に沈む貨物船「山霧丸」付近で撮影された遺骨の画像が投稿され、同省は2体の遺骨を収容。ともに鑑定で身元が判明した。遺族らから「戦没者の尊厳が損なわれないよう、収容してほしい」との意見が出ていた。

 遺族の期待も高まる。愛知県知多市の桑山市郎治さん(78)の父はトラック諸島沖に沈む貨客船「愛国丸」に乗船し、亡くなった。近年、遺骨の存在が確認されており、「海中に今も遺骨が取り残されていると考えると、なんとかして引き揚げてほしいと思う」と話す。【熊谷豪】

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10年前に沖縄で遺骨収集を行った。

そして、今、自分たちが享受している平和や生活が
どれだけありがたいものかも痛切に感じた。

未だに海の中に眠る英霊を
少しでも探し出して弔わなければならない。

多くの遺骨が一日も早く、日本へ、郷里へ、家族のもとへ帰還されることを願うばかりである。


タグ :戦没者

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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 16:04 │歴史

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