2013年10月29日

高齢者施策@長野県原村(2)

下記、10月3日へ視察へ伺った長野県原村の研修での質問内容。

基本的にどの質問も村長さんに答えていただいた。

******************

Q1 高齢者への医療費助成による他の施策への影響は。

   A 老人医療費の無料化は、30年続いるので、すでに空気のようになっている。
  1億円の支出をしているが、織り込み済みである。これをやるために他の施策を犠牲にしているつもりはない。
  他の施策への影響はない。特段、違和感はなく、若者も理解している。
  本村に転入した日から適用されるが、在住条件を2~3年設けたらいいのではないかとの意見もあったが、転入者は1%だったので不問にした。
  所得制限も設けていない。所得のある人はその分税金を払ってもらっている。
  前期高齢者は1割→2割になったらどこまで膨張するか、担当課でも試算をしていない。


Q2 特定健診やがん検診の受診率の受診率は?受診率向上対策は?

 A 特定健診の受診料は無料化している。
平成20年 28.2%、23年度 34.2%、24年度 39.1%
   胃がん健診2% 子宮がん 乳がん 15~20%
   受診率は、低く、はがき、広報誌、有線での広報を行っている。


Q3 今後も高齢化は避けられない中で、高齢者への医療費助成は右肩上がりで伸び続けると思われる。今後、義務的経費のような経費となるが、見直す考えを唱える村民等はいないのか。

A 見直しの議論ない。むしろ続けて欲しいとの意見はある。
 

Q4 県、他市町からの意見は?

A 「よくやってるね」との意見。高校生の無料化は真似してきている町村が多い。
  市は難しいそう。子ども医療費の助成額 1200万円。


Q5 償還払い制度としているようだが、現物給付を考えたか?

A 申請主義なので償還払いにしている。


Q6 医療費助成の対象者に所得制限を設ける考えはなかったのか?

A 所得のある方は、その分税金を払ってもらっているので、所得制限は設けていない。


Q7 村民税や保険税の滞納者は、条例で給付制限していないようだが、問題ないか。

A 滞納者への給付制限はしていないが、給付金の一部を滞納額へ充当している。


Q8 条例により、医療費助成を受けるために故意に住民票を原村に置くものを制限しているが、十分な調査は行われているか?

A 過去にそうした事例はあったが、在住の実態がないものには給付しない。
  申請に来て領収書が上がった段階で調査を行う。十分に調査ができている。


Q9 敬老祝い金的な事業はやっているか?

A 昨年度は、敬老年金として、77歳~87歳に5,000円、88歳以上に8,000円を給付、合計580万円。今年度から節目の方 77歳と80歳 5,000円、88歳1万円、99歳以上2万円。合計160万円となり400万円の削減。
  「医療費無料化を続けてくれ、敬老年金の削減は仕方ない」との意見が多い。


Q10 貴村で行っている健康づくり事業はどのような事業か?

 A 原村地域包括医療推進協議会として、住民の健康管理体制及び医療体制の整備を確立し、地域住民の健康の推進を図ることを目的に、昭和60年発足。
   この協議会は、福祉事務所、医師会、区長会、社協、労連、教育委員会、議会などで構成されている。
   専門部会は、住民医療推進委員会、保健管理委員会、健康づくり委員会により、計画づくり、評価、健診、医療体制のあり方、普及啓発などを担当する。
   地区の組織として、原村保健衛生自治推進協議会があり、この中には、環境衛生部会、保健補導員部会、食生活改善部会、母子愛育部会があり、地域住民の健康管理の推進、正しく食生活、母子の健全育成などを担当している。


Q11 医療費助成により、健康づくり事業のほうが効果があると考える者もいると思うが、どのように考えるか?

A 健康づくり事業ではないが、原村では、高齢者が農業など農作  業をしている方が多い。農作業で体を使っていて、脳の活性化にも効果があると思われる。


Q12 医療費助成により、医療費の削減は、図られているか?

A 深刻化する前に医療にかかるようになる。
    平成24年度の国保医療費は一人当たり、27万6520円。
 長野県77市町村中かかっている方から61番目。
    平均より下で効果があるとみていい。
 県平均29万5800円
    長野県内で、一番高い市町村は天竜村40万5935円、低いのは、  平谷村 16万3343円。
    後期高齢者の一人あたりの医療費は、71万2099円で55番目、高いのは、坂城町926,373円 低いのは売木村50万円。
    

Q13 国保会計への一般会計からの法定外繰入(被保険者一人当たり) の動向と考え方は。

A 24年度で基金を使い果たした。
    法定外繰入は、3600万円で一人当たり13,300円
    25年度で国保税値上げを行い、2000万円繰入を行い、一人当たり7693円繰り入れ。2600人ほどの被保険者。


Q14 国保会計者のうち、前期高齢者の一人当たりの医療費は?後期高 齢者の一人あたりの医療費は?

  A 前期高齢者の人数は、841人で一人当たり452,959円かかっている。県下77位と最高額。


Q15 首長選挙の公約等で、医療費助成に対する村民の関心度は?
Q16 20代から40代の者は、税を最も納税しているが、その年代は、  医療費が少ない中で、医療費助成事業の使われ方に対して意見が出ないのか?

 A 首長選挙では、医療費助成に対して、中年より上は関心が高い。
   若い人たちは出しっぱなしというわけではなく、子ども医療費をすることでバランスを取っている。
   保育料は、国の平均より16%減 第2子は半額、3子以降は無料としている。 


Q17 65歳以上の老人医療費を無料にしているが、その内容と公費負担額はどのようになっているか?

A 償還払いの有効期限1年で奇数月で閉め切り。
中には申請しない方もいる。うっかりミスの方もいる。


Q18 予防医療に力を入れており、一人あたりの医療費は約31万円と県下で低い水準にあるが、村民健診や各種がん検診の無料化、人間ドックの補助制度などは、疾病の早期治療に結びついていると思うが、その内容は。

A 健診は全て無料。
   C型肝炎抗体検査は、平成5年から続けている。毎年5~60人。
   人間ドックは、誰でも社保の人でもOK。退職すれば国保になるからとの理由。
   集団検診、医療健診もやっている。


Q19 高齢者の就業率は長野県が全国1位、その中で原村が県内1位で「日本一元気な村」と提唱されているが、高齢者の就業率を高めるためにどのような対策を進めているか。

A 特段の施策はない。生涯現役。
  高齢化率29.7% 4月1日 
介護保険料月額4,750円 6市町広域で行っている。
県下10広域で行っている。



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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 20:32 │視察・研修国民健康保険・後期高齢者医療制度

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