2011年05月07日

首相が実際に動いた実績は大きい

浜岡原発の全号機を当面停止するよう
菅直人首相が要請したことについて
下記、友人の「taka-hiro-man」さんの日記、
分かりやすいので転載いたします。

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浜岡原発から30km圏内を地図で見ればわかるように、
静岡空港と東海道新幹線と東海道線と東名高速と国道一号線。
日本の大動脈が切れます。
さらに圏内160万人の人口。多すぎて逃げる場所も手段もありません。

風は偏西風。風に乗った放射能は、ほとんどが首都圏に流れます。

この浜岡原発と福島原発の、国民の生死をかけたロシアンルーレットの結果は
「神のみぞ知る」です。

運転を停止すれば問題が解決するわけではないけれども、少なくとも、
「想定しなければならないのに想定していない直下型地震」で
制御棒が入らずに緊急停止すら出来ない危険性を避けることは出来ます。

但し、そこから3号機~5号機の冷却系の問題を解決できるのかは別問題。

耐震性の問題で2年前に運転終了した1号機と2号機も、
使用済燃料棒は1000本以上が残ったまま。
何かが起これば、福島原発4号機と同じ状態です。
http://www.chuden.co.jp/energy/hamaoka/hama_jisseki/shiyozumi/index.html

未だに薄氷を踏み続けている状態が続いている福島原発で、
現在発生している事故と同様になる危険性は残っています。

大規模構造物の世界では、構造物が弾性体(ひずむもの)であることは常識です。
簡単に言うと、ダムは水が入れば反対側に大きくゆがみます。
ゆがむことを当然に設計されています。

浜岡原発では、岩盤が地震ではゆがまないことを前提に、
その上の原発の設計がなされています。
直下型地震により、ゆがまないはずの岩盤がゆがんだり割れたりした場合、
その上にある複雑な配管の1つ1つがどのような3次元挙動をするか、
シミュレーションをすることは非常に困難です。

さらに、そもそもの岩盤自体が岩盤とは名ばかりの「軟岩」であります。
さらに、その敷地内は断層だらけ。

原発推進派であっても止めなければならない、
そもそも作ってはいけない原発だったのです。
http://www.stop-hamaoka.com/

それなのに、なんでここに作ったのか?
「東海地震説」が言われ始めたのは1969年10月28日。
中部電力が浜岡に原発設置申請したのは7ヶ月後の1970年5月22日。
そこまで長い長い年月をかけて莫大な資金を使って根回しして地元を押さえ込み、
土地を購入し、設計をし、やっと申請できると思った時になって
「東海地震説」だと?無視無視、というだけの話。
日本では走り出したら止まらないのはご存じの通り。

ちなみに浜岡原発は2年前の駿河湾沖地震(2009年8月11日/震度6弱)の時、
真夏にも関わらず全機停止していましたが停電は起こっていません。

ここから本当に浜岡原発の全停止に至るのかは一筋縄ではいかないけれど、
まずは、首相が実際に中止要請に動いたことは大きな意味を持ちます。

ここからの電気事業者連合会の巻き返しはすごいと思います。
誰がどのように動くのか、注視が必要です。



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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 08:40 │エネルギー・原子力

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