2016年12月10日
<一般質問>新図書館の指定管理者制度導入の可能性について
同じく、民生文教委員会の視察ですが、奈良県桜井市で「市立図書館における指定管理者制度の現状と課題について」というテーマで視察を行いました。
桜井市立図書館は、平成23年4月から3年契約の指定管理者制度で管理運営を行っています。
指定業者は、株式会社図書館流通センターで、図書館向け書籍販売、図書館管理業務の受託などを行っている企業です。
平成22年の第1回目の公募では2社から応募があり、株式会社図書館流通センターに決まりました。
3年後の2回目の公募では、株式会社図書館流通センターのみで、今年度は3回目の公募を現在、行っているとのことですが、その時点では1社のみとのことです。
当町の新図書館を設置後に、指定管理者制度を導入することも選択肢として考えるのであるならば、そうしたことも想定した建物の構想をしないと難しいと思われますが、町の考えについて伺います。
【答弁】生涯学習課長
町図書館への指定管理者制度の導入につきましては、教育委員会から社会教育委員会への諮問に対し、平成27年3月に、「導入効果は期待できるものの、施設の老朽化が著しく、床面積も小さく活用スペースが限られていることなどから、課題の改善等が図られることが決まった時点で、再度審議を行うものとする。」との答申をいただいております。
公立図書館における指定管理者制度の導入については、多様な意見がありますが、図書館の管理運営にあっては、民間事業者等の創意工夫を活用しながら、利用者ニーズを的確に把握し、さらなるサービスの向上や効率化を図ることも重要であることから、将来的には業務委託をはじめ、指定管理者制度の導入にも対応できる施設としての構想を行う必要もあると考えております。
しかしながら、指定管理者制度の導入につきましては、このたび発足いたしました新図書館建設検討委員会の検討事項の一つとしておりますので、その結果に基づき、今後改めて社会教育委員会で検討するなど、慎重に審議してまいりたいと考えております。
【まとめ】
昨年、7月に政務活動で視察した富山県舟橋村の村立図書館は、富山地方鉄道舟橋駅と一体化した施設で、平成10年のオープン以来、村民一人当たりの年間貸出冊数が40冊を超え、全国1位を続けていましたが、図書貸出数は、平成14年度166,265冊をピークに減少していて平成26年度は101,081冊、村民一人当たり33.3冊となっていて、ピーク時に比べて村民一人あたりに換算すると半分ほどになっていました。
今年2月に政務活動で視察した兵庫県加東市は、個人に貸し出した冊数を、人口で割った平成25年度の貸出密度が人口3万人以上4万人未満の全国4万人未満の全国172自治体で最多となり、9年連続日本一でしたが、平成24年度をピークに(738,549冊)減少しています。
当町の図書館も平成21年度の435冊/日をピークに減少し、平成27年度は308冊/日となっています。
図書の貸出数の多い図書館でも近年、減少傾向となっていますが、桜井市立図書館は、指定管理者制度の導入もあり、近年もほぼ同じ数字で貸出数が推移しています。
指定管理者制度の導入は、経費削減と民間企業のノウハウを活用できる面でプラスの面が見られます。
今後、当町が図書館を整備した際、さらに職員の配置が必要になる可能性もあるので、指定管理者制度の導入は、検討課題となる可能性があます。
ただ、桜井市では、導入にあたっての公募では、23年度開始当初では2社からあったようですが、26年度は1社、来年度に向けても現在1社しか応募がないとの話でした。1社しか名乗りを上げないような公募の状況は、あまりいいとは思いません。
また、桜井市立図書館では、歴史的な史跡の多い自治体ということもあり郷土資料のコーナーも充実していましたが、指定管理者制度では、司書の異動により、より専門的に郷土の歴史について、どれだけ継承していけるのか疑問を感じるところです。
地域の歴史や文化、伝統などの資料・情報の収集については、住民主体の「地域の自立」には欠かせないと思われます。
清水町図書館では、読み聞かせボランティア「おはなしクック」さんや清水町のむかしばなしの伝承に努めている「グループ・トンボの目」さんが活動をしています。
そうした団体の取り組みは、町にとって大切な文化的財産であり、伝統の継承活動であるので、指定管理者制度が検討された際には、そうした団体が、より発展的に活動できるような仕組み作りを十分に議論しておく必要があります。
もし、そうした団体との協働が難しいとするならば、指定管理者制度の導入は見送るべきと考えます。
また、指定管理者制度を導入するには、図書貸出以外の部分でどのように収益を上げる仕組みが作れるかという部分が重要になると思いますが、桜井市立図書館では、ホールや会議室があり、そうした貸館業務や、カフェなどの飲食コーナーの設置を考えないと難しいと思われます。
今後、当町が建設を予定している新図書館でそうしたことが可能なのかどうか検討する必要があります。
昨年の第4回定例会でも取り上げましたが、全国的には、指定管理者制度を導入したが、再び直営に戻した図書館もあるので、なぜそうなったのか、そうした事例も研究してみる必要性があると思われます。
また、現在、町内の小学校でも学校司書を2人、巡回して配置していますが、学校図書室と町図書館の連携を図る必要性も高まっていくと思いますので、人事異動や交流を積極的に行っていくべきと考えます。
そして、小学生の子ども達が気軽に町の図書館を利用してもらうような仕組みづくりを考えていければと思います。
桜井市立図書館は、平成23年4月から3年契約の指定管理者制度で管理運営を行っています。
指定業者は、株式会社図書館流通センターで、図書館向け書籍販売、図書館管理業務の受託などを行っている企業です。
平成22年の第1回目の公募では2社から応募があり、株式会社図書館流通センターに決まりました。
3年後の2回目の公募では、株式会社図書館流通センターのみで、今年度は3回目の公募を現在、行っているとのことですが、その時点では1社のみとのことです。
当町の新図書館を設置後に、指定管理者制度を導入することも選択肢として考えるのであるならば、そうしたことも想定した建物の構想をしないと難しいと思われますが、町の考えについて伺います。
【答弁】生涯学習課長
町図書館への指定管理者制度の導入につきましては、教育委員会から社会教育委員会への諮問に対し、平成27年3月に、「導入効果は期待できるものの、施設の老朽化が著しく、床面積も小さく活用スペースが限られていることなどから、課題の改善等が図られることが決まった時点で、再度審議を行うものとする。」との答申をいただいております。
公立図書館における指定管理者制度の導入については、多様な意見がありますが、図書館の管理運営にあっては、民間事業者等の創意工夫を活用しながら、利用者ニーズを的確に把握し、さらなるサービスの向上や効率化を図ることも重要であることから、将来的には業務委託をはじめ、指定管理者制度の導入にも対応できる施設としての構想を行う必要もあると考えております。
しかしながら、指定管理者制度の導入につきましては、このたび発足いたしました新図書館建設検討委員会の検討事項の一つとしておりますので、その結果に基づき、今後改めて社会教育委員会で検討するなど、慎重に審議してまいりたいと考えております。
【まとめ】
昨年、7月に政務活動で視察した富山県舟橋村の村立図書館は、富山地方鉄道舟橋駅と一体化した施設で、平成10年のオープン以来、村民一人当たりの年間貸出冊数が40冊を超え、全国1位を続けていましたが、図書貸出数は、平成14年度166,265冊をピークに減少していて平成26年度は101,081冊、村民一人当たり33.3冊となっていて、ピーク時に比べて村民一人あたりに換算すると半分ほどになっていました。
今年2月に政務活動で視察した兵庫県加東市は、個人に貸し出した冊数を、人口で割った平成25年度の貸出密度が人口3万人以上4万人未満の全国4万人未満の全国172自治体で最多となり、9年連続日本一でしたが、平成24年度をピークに(738,549冊)減少しています。
当町の図書館も平成21年度の435冊/日をピークに減少し、平成27年度は308冊/日となっています。
図書の貸出数の多い図書館でも近年、減少傾向となっていますが、桜井市立図書館は、指定管理者制度の導入もあり、近年もほぼ同じ数字で貸出数が推移しています。
指定管理者制度の導入は、経費削減と民間企業のノウハウを活用できる面でプラスの面が見られます。
今後、当町が図書館を整備した際、さらに職員の配置が必要になる可能性もあるので、指定管理者制度の導入は、検討課題となる可能性があます。
ただ、桜井市では、導入にあたっての公募では、23年度開始当初では2社からあったようですが、26年度は1社、来年度に向けても現在1社しか応募がないとの話でした。1社しか名乗りを上げないような公募の状況は、あまりいいとは思いません。
また、桜井市立図書館では、歴史的な史跡の多い自治体ということもあり郷土資料のコーナーも充実していましたが、指定管理者制度では、司書の異動により、より専門的に郷土の歴史について、どれだけ継承していけるのか疑問を感じるところです。
地域の歴史や文化、伝統などの資料・情報の収集については、住民主体の「地域の自立」には欠かせないと思われます。
清水町図書館では、読み聞かせボランティア「おはなしクック」さんや清水町のむかしばなしの伝承に努めている「グループ・トンボの目」さんが活動をしています。
そうした団体の取り組みは、町にとって大切な文化的財産であり、伝統の継承活動であるので、指定管理者制度が検討された際には、そうした団体が、より発展的に活動できるような仕組み作りを十分に議論しておく必要があります。
もし、そうした団体との協働が難しいとするならば、指定管理者制度の導入は見送るべきと考えます。
また、指定管理者制度を導入するには、図書貸出以外の部分でどのように収益を上げる仕組みが作れるかという部分が重要になると思いますが、桜井市立図書館では、ホールや会議室があり、そうした貸館業務や、カフェなどの飲食コーナーの設置を考えないと難しいと思われます。
今後、当町が建設を予定している新図書館でそうしたことが可能なのかどうか検討する必要があります。
昨年の第4回定例会でも取り上げましたが、全国的には、指定管理者制度を導入したが、再び直営に戻した図書館もあるので、なぜそうなったのか、そうした事例も研究してみる必要性があると思われます。
また、現在、町内の小学校でも学校司書を2人、巡回して配置していますが、学校図書室と町図書館の連携を図る必要性も高まっていくと思いますので、人事異動や交流を積極的に行っていくべきと考えます。
そして、小学生の子ども達が気軽に町の図書館を利用してもらうような仕組みづくりを考えていければと思います。