2014年09月09日

<一般質問>クラウドファンディングの活用について

下記、一般質問原稿掲載

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インターネットで不特定多数の人々から小口の資金を募る「クラウドファンディング」を活用、地域振興に生かそうと取り組む自治体が出てきています。

まず、クラウドファンディングは、現在世界的に注目されている資金調達方法のひとつで、インターネット上で募金(ファンドレイズ)活動ができ、多くの人々が気軽に寄付に参加できるサービスです。日本においても、東日本大震災をきっかけに多くのプラットフォーム(仲介サイト)が誕生しています。

団体や個人などの企画立案者がプロジェクトを仲介サイトに公開し、必要な資金を不特定多数の賛同者から小口出資で募ります。
資金は目標額を設定、募集期間内に目標額に達すれば、企画立案者が資金を得ることができるのが一般的で、出資方法はクレジットカードでの決済が多く、カード会社への手数料と仲介サイト使用料を合わせ、仲介サイト側が調達資金の15~25%程度を、残りを企画立案者が受け取っています。

小口資金の出資者に対する対価の有無などで仲介サイトの色合いが変わります。出資者は対価を得ない「寄付型」▽出資金を製作資金として活用し、完成品を提供する「購入型」▽出資比率に応じて事業配当を受ける「投資型」▽仲介サイト運営者が貸し付けを実施し、出資者は金利を得る「貸付型」-に分けられます。

神奈川県鎌倉市は昨年11月、「かまくら想いプロジェクト」を立ち上げ、団体が寄付金を集めることを目的としたジャスト・ギビング・ジャパン(東京都千代田区)を通じて寄付を募りました。

出資金は市内観光スポットを案内する観光ルート板(8カ所10基分)の設置費用として、100万円を1口1万円に分割。寄付者の名前を銘板に刻み、ルート板に取り付けることにした結果、100人の寄付者を22日間で集めました。

鎌倉市には年間2千万人近い観光客が訪れますが、日帰りが多く、神社や寺から徴税できないことから、市にとって財政的な恩恵は少なく、景気悪化による税収の落ち込みや社会保障費の増大で台所事情が厳しさを増している中、「設備を利用する観光客に協力してもらおう」と模索していたとのことで、今後、文化財保護や緑化事業での活用も検討しています。

鎌倉市が活用したジャスト・ギビング・ジャパンとは http://justgiving.jp/
ノーベル医学生理学賞を受賞された山中伸弥京都大教授や、最高齢でエベレスト登頂を達成した三浦雄一郎氏が資金を募った、日本最大のクラウドファンディングサイトで、国内最大の寄付仲介サイトです。英国発7億ポンドを集める世界最大級のクラウドファンディングサイト「JustGiving」の日本版として、2010 年 3 月 9 日より運営を開始しました。

「JustGiving」は、2,100万人が、13,000以上の団体に、2,500億円超を寄付。
ジャストギビングは世界最大級のファンドレイジング・サイトです。

日本語版のサイトでは、9月6日現在で累計寄付金額:1,158,294,723円 チャレンジ件数:6,322件 寄付件数:109,112件 登録NPO:1,165団体

鎌倉市もNPO団体名 「自治体法人 鎌倉市観光商工課」として登録されています。

現在、広島市の豪雨災害に関する寄付に関連するものがいくるか見られます。


NTTレゾナント(東京都港区)が20~60代の男女1050人を対象に昨年11月、実施した意識調査によると、「インターネット上で行える社会貢献活動に参加したい」人は58%に上っています。

 最も関心のある社会貢献活動は「簡単なアクションで参加できる」ものが1位(34.1%)で、「インターネットを利用することで寄付できる」(22.9%)、「インターネット上の社会貢献活動の見える化」(16.2%)が続いた。場所や時間に縛られることなく、手軽に実行できるものが求められているようです。

「大衆の意思(投票)に基づく資金の供給」という仕組みは、これまでも「ふるさと納税」や「1%支援制度(千葉県市川市)」など行政施策にも用いられており、行政が関与するクラウドファンディングは、こうした既存の仕組みを、インターネットを活用し、より広範を対象に資金提供を呼びかけるとともに、域内の活動を広くPRする仕組みであるといえます。
 
当町でも、柿田川の周辺整備などクラウドファンディングを活用することも有効だと思われますが、その考えについて伺います。


 【答弁】企画財政課長
ただいま議員から御提言がありましたクラウドファンディングにつきましては、ふるさと納税などと同様な寄附行為の一つでありますが、インターネットを通じた民間事業者の仕組みを活用しているものであり、民間事業者との調整やインターネットに不慣れな方への対応が必要であると思われます。
また、高額な目標設定では達成が困難なことから、対象事業等を吟味する必要があるほか、目標金額が集まらない場合の返金等の対応に課題があると考えております。
なお、クラウドファンディングにつきましては、財源確保の面をはじめ、住民との協働による行政の推進といった面においても有意義な手法の一つであると考えられますので、今後先進自治体や周辺市町の動向を注視しながら、その活用方法について調査・研究してまいりたいと考えております。


【まとめ】
鎌倉市が短期間で100万円集まられたのは、自治体初という目新しさによるマスコミ等の宣伝効果と寄付者の名前が刻まれるという銘板によるところが大きいと思います。
寄付を行ったことが思いを寄せた場所で名前として残るのは、寄付をした者にとっては、また鎌倉へ行く楽しみにもなります。

清水町でも柿田川公園の整備などで銘板として残るというクラウドファンディングを行えば、寄付が集まる可能性はあると思います。

次の質問でも触れますが、8月に北海道へ政務活動で視察へ行った際に旭川駅を利用しましたが、旭川駅は、平成23年11月23日に第4代旭川駅としてグランドオープンしまして、北海道産のタモ材をふんだんに使用した木の温もりが伝わる駅舎内です。
改札内の壁「ピープル・ウォール」には「旭川に名前を刻むプロジェクト」によって集められた1万人の名前が刻まれています。

1枚の板(長さ80cm、幅7cm)に2人分の名前を印刷。5000本の板に1万人の名前が刻まれていて、旭川市民に限らず1口2000円で集められたとのことです。

名前が刻まれるというのは、寄付を集める大きな原動力になります。

それと鎌倉市が活用したジャスト・ギビング・ジャパンでは、
サイト内の「よくあるご質問」で

Q. 掲げたチャレンジの目標金額に到達できませんでした。どうなりますか?

A.目標金額の到達する、しないに関わらず集まった寄付金は、NPO団体に寄付されます。

とのことです。

是非、当町としても新たに寄付を集め、事業を行う手段として、この分野についてさらなる調査研究をしていただき、活用していただきたいと思います。



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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 20:23 │一般質問DX・ICT・コンピュータ・SNS

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