2013年12月22日
<一般質問>道徳教育と学校図書館の活用
下記、一般質問原稿掲載
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昨日の一般質問でも3人の方が全国学力・学習状況調査について質問していまして、静岡県の小学生の国語Aの正答率の低さなどを取り上げていましたが、私が3年前の10月に同僚議員と共に年間150冊もの貸出数の山形県の鶴岡市立朝暘第一小学校へ視察してきたときに校長先生は、こう述べていました。
「年度により波があるが、平均して国語などは他と比較しても良いデータが得られている。校長の印象としてお話をさせてもらえれば、16年間の積み上げもあり、読書をすることで、心が安定し、落ち着いており、心が耕されていると感じる。
その一方で資料を探す力が身についており、自分で調べる能力があると感じている。」と、図書館活用教育の成果をお話して下さいました。
私は、全国学力・学習状況調査のことを質問するつもりで、今回取り上げているわけではありません。
ただ、昨日の質問でも教育長は、国語の正答率の低さについて、「文章の読解力に課題がある。文字や文章に慣れる取り組みが必要」と答弁していました。
子供達が読書により親しまれるように是非、学校司書の配置も実現していただければと思います。
こちらに西小だよりがあります。西小だよりは、回覧板で地域の方たちにも学校の出来事を情報発信している素晴らしい取り組みですが、10月21日号に柿田区の久保田幸子様が西小の子供たちのために図書を寄贈し続けてくださっている記事が掲載されています。また、図書ボランティアさんの活動も紹介されています。
こうした方たちの取り組みや思いも町として積極的にバックアップしていただきたいと思います。
もう一つ紹介したいことがありますが、清水町の学校は平成25年度と26年度文科省の道徳教育総合支援事業研究推進校になっています。
私は、9月14日の西小学校の道徳の授業参観と11月18日に同じく西小学校で行われた清水町教育委員会指定研究発表会に参加しました。
研究発表会では、冒頭、教育長が道徳教育の推進校になることを決めた理由として4点あげていました。
○子供達にもう一人の自分との対話、しっとりとした時間の確保
○先生達が子供達を見つめて養っていきたい。指導力を上げていきたい。
○子どもが変わり、先生が変われば学校の教育力が上がる。
○地域の人達を学校教育に取り組み地域の道徳力を上げる。
とのことです。
公開授業では、私は特別支援学級の「いずみ」のクラスを見学しました。
西小学校で推進している「ふわふわことば」について挨拶の場面など具体的事例の絵を見ながら、自分ならどんな言葉を使うか4人の子ども達が意見を発表していました。
中には2対2で判断が分かれる場面があったり、自分には想像つかない意見を出していたり興味深かったです。
みんな素直に自分の意見を出していました。
その後、「道徳教育の今日的課題」と題して東京学芸大学の永田繁雄教授の講演を聴きました。
先生は、今、求められる道徳教育と道徳の時間について、今の子ども達は「心の活力が弱っている。根っこの力が弱っている」と述べられました。
活力ある道徳の授業としてこれまでの草食型の授業ではなく、肉食型の授業があっていいと述べ、討論やディスカッションなどを入れていくことを述べていました。
静岡大学の「学力向上のための読書活動・学校図書館活用ハンドブック」というのがあります。
その中にも
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<道徳、特別活動の時間の活用>
道徳や特別活動は、ほとんどの学校で担任が指導する時間になっているので、担任として読書活動に取り組める貴重な時間である。
学習指導要領の道徳における指導にあたっての配慮事項の中に、「 先人の伝記、自然、伝統と文化、スポーツなどを題材とし、生徒が感動を覚えるような魅力的な教材の開発や活用 」 が掲げられている。学校図書館は、魅力的な教材となる図書の宝庫である。伝記を読むことを通して生き方を考えたり、環境問題の最新の情報を題材に、地球に対して自分たちができることは何かを話し合ったりなど、教科学習とは違った視点での展開ができる。
最近、異年齢集団による読み聞かせや、福祉施設などへの読み聞かせの活動を特別活動の時間に取り入れている学校が増えてきている。少子化・高齢化がすすむ中で、読み聞かせの活動を通して他者への思いやりの心やコミュニケーション能力を育むことを意図しているのだろう。担任として、まずは場の設定を考え、次の段階として選書の相談にのり、さらに練習の時間を確保するといった流れで実践化をはかりたい。
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と、述べられています。
先ほどの東京学芸大学永田教授の本も買って読んでみました。
「実話をもとにした道徳ノンフィクション資料」ですが、副題に「事実・史実に基づくリアリティが感性に訴え、豊かな感動を呼び起こす。心に響く教材の開発から生まれた珠玉(しゅぎょく)の17編とその指導案」とありまして、前書きには「子どもの心の豊かさをはぐくむ基礎としての道徳教育の重要性が増している」「ノンフィクション資料などの感動性や迫真性に満ちた資料が従前にもまして求められている」とあります。
今年の清水中学校の入学式では、
校長先生が式辞で、「道徳の学校、道徳の町清水町を目指す!」
と述べていました。
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道徳教科化27年度にも 数値評価は行わず 文科省の有識者会議が報告案
産経新聞 2013.11.11 21:49 [教育]
道徳の教科化に向けて検討している文部科学省の有識者会議「道徳教育の充実に関する懇談会」は11日、現在は正式教科ではない小中学校の「道徳の時間」を数値評価を行わない「特別な教科」に格上げし、検定教科書の使用を求める報告書案を公表した。年内にも最終報告を取りまとめる。文科省は中央教育審議会の議論を経て早ければ平成27年度にも教科化する方針。
報告書案では、道徳教育の現状として「他教科に比べて軽んじられ、実際には他の教科に振り替えられている」などの課題を指摘。抜本的な改善と充実を図るには教科化が適当とした。ただし、5段階などの数値評価はせず、記述式で児童生徒の取り組み状況を評価するよう求めた。
授業は小中ともに担任が受け持つとしたが、11日の会議では「中学では指導内容が高度化するため、専門の教員が必要」とする意見も出された。
教材については教育現場の一部に「価値観に関わる教科書の記載内容を検定するのは難しい」との懸念もあったが、報告書案は「憲法、法律、学習指導要領の趣旨に沿っているかなどの大きな基準で考えれば検定も可能」とし、緩やかな検定を行うべきだとした。教科書が作成されるまでの間は、来年度から全面改訂される「心のノート」を中心に学校独自の教材を活用することが盛り込まれた。
道徳をめぐっては、今年2月の教育再生実行会議の第1次提言でも教科化することを求めていた。
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こうした道徳の重要性が一段と高まってきている中、当町が道徳教育総合支援事業研究推進校に取り組んでいることは、大いに誇るべきことであり、教育長が発表会で述べた狙いは、まさにこれからの学校教育にとって必要なことだと思います。
そうした道徳教育の推進には、静岡大学のハンドブックや学芸大学の永田教授が指摘しているように伝記や実話をもとにしたノンフィクション資料の活用、学校図書館は、魅力的な教材となる図書の宝庫であります。
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昨日の一般質問でも3人の方が全国学力・学習状況調査について質問していまして、静岡県の小学生の国語Aの正答率の低さなどを取り上げていましたが、私が3年前の10月に同僚議員と共に年間150冊もの貸出数の山形県の鶴岡市立朝暘第一小学校へ視察してきたときに校長先生は、こう述べていました。
「年度により波があるが、平均して国語などは他と比較しても良いデータが得られている。校長の印象としてお話をさせてもらえれば、16年間の積み上げもあり、読書をすることで、心が安定し、落ち着いており、心が耕されていると感じる。
その一方で資料を探す力が身についており、自分で調べる能力があると感じている。」と、図書館活用教育の成果をお話して下さいました。
私は、全国学力・学習状況調査のことを質問するつもりで、今回取り上げているわけではありません。
ただ、昨日の質問でも教育長は、国語の正答率の低さについて、「文章の読解力に課題がある。文字や文章に慣れる取り組みが必要」と答弁していました。
子供達が読書により親しまれるように是非、学校司書の配置も実現していただければと思います。
こちらに西小だよりがあります。西小だよりは、回覧板で地域の方たちにも学校の出来事を情報発信している素晴らしい取り組みですが、10月21日号に柿田区の久保田幸子様が西小の子供たちのために図書を寄贈し続けてくださっている記事が掲載されています。また、図書ボランティアさんの活動も紹介されています。
こうした方たちの取り組みや思いも町として積極的にバックアップしていただきたいと思います。
もう一つ紹介したいことがありますが、清水町の学校は平成25年度と26年度文科省の道徳教育総合支援事業研究推進校になっています。
私は、9月14日の西小学校の道徳の授業参観と11月18日に同じく西小学校で行われた清水町教育委員会指定研究発表会に参加しました。
研究発表会では、冒頭、教育長が道徳教育の推進校になることを決めた理由として4点あげていました。
○子供達にもう一人の自分との対話、しっとりとした時間の確保
○先生達が子供達を見つめて養っていきたい。指導力を上げていきたい。
○子どもが変わり、先生が変われば学校の教育力が上がる。
○地域の人達を学校教育に取り組み地域の道徳力を上げる。
とのことです。
公開授業では、私は特別支援学級の「いずみ」のクラスを見学しました。
西小学校で推進している「ふわふわことば」について挨拶の場面など具体的事例の絵を見ながら、自分ならどんな言葉を使うか4人の子ども達が意見を発表していました。
中には2対2で判断が分かれる場面があったり、自分には想像つかない意見を出していたり興味深かったです。
みんな素直に自分の意見を出していました。
その後、「道徳教育の今日的課題」と題して東京学芸大学の永田繁雄教授の講演を聴きました。
先生は、今、求められる道徳教育と道徳の時間について、今の子ども達は「心の活力が弱っている。根っこの力が弱っている」と述べられました。
活力ある道徳の授業としてこれまでの草食型の授業ではなく、肉食型の授業があっていいと述べ、討論やディスカッションなどを入れていくことを述べていました。
静岡大学の「学力向上のための読書活動・学校図書館活用ハンドブック」というのがあります。
その中にも
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<道徳、特別活動の時間の活用>
道徳や特別活動は、ほとんどの学校で担任が指導する時間になっているので、担任として読書活動に取り組める貴重な時間である。
学習指導要領の道徳における指導にあたっての配慮事項の中に、「 先人の伝記、自然、伝統と文化、スポーツなどを題材とし、生徒が感動を覚えるような魅力的な教材の開発や活用 」 が掲げられている。学校図書館は、魅力的な教材となる図書の宝庫である。伝記を読むことを通して生き方を考えたり、環境問題の最新の情報を題材に、地球に対して自分たちができることは何かを話し合ったりなど、教科学習とは違った視点での展開ができる。
最近、異年齢集団による読み聞かせや、福祉施設などへの読み聞かせの活動を特別活動の時間に取り入れている学校が増えてきている。少子化・高齢化がすすむ中で、読み聞かせの活動を通して他者への思いやりの心やコミュニケーション能力を育むことを意図しているのだろう。担任として、まずは場の設定を考え、次の段階として選書の相談にのり、さらに練習の時間を確保するといった流れで実践化をはかりたい。
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と、述べられています。
先ほどの東京学芸大学永田教授の本も買って読んでみました。
「実話をもとにした道徳ノンフィクション資料」ですが、副題に「事実・史実に基づくリアリティが感性に訴え、豊かな感動を呼び起こす。心に響く教材の開発から生まれた珠玉(しゅぎょく)の17編とその指導案」とありまして、前書きには「子どもの心の豊かさをはぐくむ基礎としての道徳教育の重要性が増している」「ノンフィクション資料などの感動性や迫真性に満ちた資料が従前にもまして求められている」とあります。
今年の清水中学校の入学式では、
校長先生が式辞で、「道徳の学校、道徳の町清水町を目指す!」
と述べていました。
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道徳教科化27年度にも 数値評価は行わず 文科省の有識者会議が報告案
産経新聞 2013.11.11 21:49 [教育]
道徳の教科化に向けて検討している文部科学省の有識者会議「道徳教育の充実に関する懇談会」は11日、現在は正式教科ではない小中学校の「道徳の時間」を数値評価を行わない「特別な教科」に格上げし、検定教科書の使用を求める報告書案を公表した。年内にも最終報告を取りまとめる。文科省は中央教育審議会の議論を経て早ければ平成27年度にも教科化する方針。
報告書案では、道徳教育の現状として「他教科に比べて軽んじられ、実際には他の教科に振り替えられている」などの課題を指摘。抜本的な改善と充実を図るには教科化が適当とした。ただし、5段階などの数値評価はせず、記述式で児童生徒の取り組み状況を評価するよう求めた。
授業は小中ともに担任が受け持つとしたが、11日の会議では「中学では指導内容が高度化するため、専門の教員が必要」とする意見も出された。
教材については教育現場の一部に「価値観に関わる教科書の記載内容を検定するのは難しい」との懸念もあったが、報告書案は「憲法、法律、学習指導要領の趣旨に沿っているかなどの大きな基準で考えれば検定も可能」とし、緩やかな検定を行うべきだとした。教科書が作成されるまでの間は、来年度から全面改訂される「心のノート」を中心に学校独自の教材を活用することが盛り込まれた。
道徳をめぐっては、今年2月の教育再生実行会議の第1次提言でも教科化することを求めていた。
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こうした道徳の重要性が一段と高まってきている中、当町が道徳教育総合支援事業研究推進校に取り組んでいることは、大いに誇るべきことであり、教育長が発表会で述べた狙いは、まさにこれからの学校教育にとって必要なことだと思います。
そうした道徳教育の推進には、静岡大学のハンドブックや学芸大学の永田教授が指摘しているように伝記や実話をもとにしたノンフィクション資料の活用、学校図書館は、魅力的な教材となる図書の宝庫であります。