2018年12月07日

<一般質問>「シニアクラブの運動教室を積極的に展開を」

下記、一般質問原稿掲載

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一昨年度から町内の各地区で、シニアクラブが中心になって、高齢者の健康増進活動が行われています。

地域介護予防活動支援事業ですが、その目的は、「高齢者が地域の中でいきいきとした生活を続けていくことができるよう、身近な地域において介護予防のための運動教室を開催し、高齢者の見守り支援の輪を広げる」とのことであります。

事業立ち上げの経緯については、
〇平成28年度
シニアクラブ理事会において、地区健康グループ事業の開催について意向を確認したところ、長沢区と上徳倉区から開催希望があり事業を開始し、町は運動指導の講師費用の支出と担当職員による支援を行った。
〇平成29年度
シルバー人材センターに事業委託し、事業立ち上げについて支援を行い、開催を5地区(新宿区、伏見区、八幡区)に増やした。
町事業として行うことにより、シニアクラブ会員以外の参加を可能とした。
〇平成30年度
引き続きシルバー人材センターに事業委託し、開催を9地区(柿田区、堂庭区、外原区、湯川区)に増やした。

私は、長沢区公民館で行われている事業に2回ほど参加してみました。
長沢シニアクラブでは、この運動教室をココトレ運動と名付けています。
長沢シニアクラブの理事会で決めたようで、トレーニングと「ここの痛いところをとれ」という狙い・意味をかけて名付けたようです。

ココトレ運動は、春5回、秋5回、冬5回の年15回行っていて、月2回のペースで行っています。
シニアクラブ以外の方も参加OKということで行ってみますと、40人ほどが集まっていて、うち10~15人の方が一般区民の方でした。

内容は、9時半から11時まで1時間半ほど行い、最初は、イスに座りながらインストラクターの先生がストレッチや軽い体操を指導していただき、少し運動して休憩します。
次に、足のつま先と踵を交互に上げながら、左右の手を交互にグーとパーにして前に出すなど複数の動きを同時にする運動を行います。
また、右手で鼻をつまんで左手で右耳を触るなどを交互にするなど頭を使いながら運動をするので脳トレにもなります。

やっているうちに「どっちがどうだったけ」と途中で混乱して訳が分からなくなったりして、笑いながらみんなやっていました。

私は、なるほど、これがいいんだと改めて思いました。頭と体を使って、できそうでできないようなことをみんなで楽しく笑いながらやっていたのがとても印象的でした。

他にもイスに座りながら二人でタオルを使った運動や、赤、青、黄、緑の線が入ったヒモを線路のように2本敷き、ヒモの間の数を数えて、足踏みしながら手をたたいたり、特定の色のところで足を外に出したり、数えながら引き算をしたりと頭と体を使った運動をしていました。

こうした運動教室の試みを町としても積極的に展開し、シニアクラブの活動も含め、より活発にしていくべきと思われます、町の考えを伺います。


【答弁】こども未来課長
町では、平成28年度から、各区の協力により、開催希望のあった区の公民館において高齢者の運動教室を開催しており、昨年度は5地区で67回開催し、
延1,606人が参加、今年度は9地区で170回の開催を予定しております。
本事業は、地域の高齢者が定期的に集い、介護予防のための運動を行うだけでなく、地域の特色を生かした交流の場にもなっております。
このことから、町といたしましては、今後さらに、開催地区の増加に努め、地域での介護予防の取組を推進するとともに、高齢者のつながりを広めるシニアクラブ等の活動についても、引き続き支援してまいりたいと考えております。


【まとめ】
長沢シニアクラブの会長さんの話を伺ったところ、私が参加した時はいずれも40人ほど参加者がいましたが、インストラクターの先生の話では、35人くらいが限界だとのことであります。
ですので、シニアクラブとしては、会員以外の方も含めて積極的に参加していただきたいとの思いもあるのですが、声をかけづらくなっているとのことであります。

運動教室を開催している地区は、概ね月2回程度実施しているところが多いようですが、運動の健康効果は、1回の時間の長さより、頻度が重要だと言われています。

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高齢者スポーツの健康効果、時間より頻度 浜松医大、常葉大調査
8/7(火) 8:01配信 静岡新聞

 浜松医科大と常葉大はこのほど、高齢者スポーツでは練習時間の長さより、練習頻度を多くすることが健康増進効果があるとの研究成果をまとめ、科学誌「体力科学」で発表した。

 浜松医科大健康社会医学講座の柴田陽介助教らの研究グループは2016年の県シニアサッカーフェスティバルに参加した平均年齢67・2歳の男性サッカー選手計995人にアンケートを実施。健康状態と1回の練習時間、週の練習頻度を尋ね、グループ分けして関連を調べた。

 グループ内の健康状態が良い人の割合を比較した結果、練習が2時間未満の「少ない」グループに比べ、2時間の「中程度」のグループが1・21倍、2時間以上の「多い」グループは1・04倍で統計学的に練習時間で大きな差がなかった。

 一方、頻度が週1回未満の「少ない」グループに含まれる健康な人の割合を比べると、週1回の「中程度」のグループは1・63倍、週1回以上の「多い」グループは2・29倍で練習頻度が多いほど、健康につながる可能性が導き出された。

 柴田助教らはスポーツの持つ文化的、社会的側面にも着目し、「運動効果に加え、練習頻度が増えると外出頻度が増し、コミュニケーションの機会も増えることで健康増進効果がある」と考察。スポーツに取り組むアクティブシニアが増加する中、練習頻度に着目するよう求めている。

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高齢者の健康にとって運動が重要であることは、わかりやすいのですが、読書が重要だという研究成果があることを最近知りました。

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NHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」(NHK総合)の、10月13日放送が「健康寿命」がテーマでした。

のべ41万人の高齢者のデータを元にAIが解析すると、健康寿命を延ばすには「運動よりも食事よりも読書が大事」という驚きの結果がはじき出されました。

これを裏付ける事例として、山梨県は、「健康寿命」(厚生労働省調査:健康寿命は介護を必要とせず自立した生活を過ごせる期間の長さ)が1位ですが、「運動・スポーツ実施率」(笹川スポーツ財団)は最下位だそうです。

しかしながら、山梨県は「人口に対する図書館の数」が文部科学省の調べで全国平均が10万人当たり2.61館なのに対し、山梨は6.59館と全国1位です。番組が山梨県の県立図書館で利用者を取材すると、

「本を探すことでいい運動になる(図書館内をよく歩くため)」
「知的な刺激を受ける(様々なジャンルの本を読むことで)」
「記憶が呼び覚まされる(旅行雑誌を見てかつての旅行を思い出す)」

など、多面的に健康寿命に効果的とみられる特徴が分かりました。

山梨県は、戦後早い時期から学校司書(図書室専門の職員)制度を整備し、子どもの読書を推進してきた。学校司書配置率は全国平均59.3%なのに対し、山梨は98.3%と高く、高齢になっても読書習慣が続いている人が多いとみられます。

米・イェール大学の研究論文「読書と長寿の関連性」によると、50歳以上の約3600人を対象にした12年間の追跡調査から、「読書習慣のある人は、無い人に比べて23カ月寿命が長い」という結果が出ています。
しかも、「性別や健康状態、財産、学歴に関係なく、純粋に本を読むことが長寿につながった」と結論付けられていました。

千葉大学の近藤克則教授は、一般社団法人日本老年学的評価研究機構(JAGES)の研究の分析中のデータで、「図書館が近くにある人は、要介護リスクが低い」というデータがあること明かしました。「『心が動くと体が動く』という言葉もある通り、"本や雑誌を読む"ことは、行動を起こすきっかけを与えてくれる」と述べています。

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当町は、図書館と保健センターの複合施設の建設が予定されていますが、この番組を見ますと、時代を先取りした施設になる可能性を秘めているなと思いました。

また、ちょっと蛇足ではありますが、11月1日に西小学校のオープン参観に行って参りましたが、廊下を歩いていると子ども達が行った統計調査のポスターがありました。
5年生77人の調べで「清水町の好きな場所はどこですか」という問いに、男女の結果が掲載されていましたが、
男女とも
1位がサントムーン、2位が柿田川公園でしたが、3位が町図書館でした。
その理由は、「本がたくさんあるから」とありました。

ぜひとも清水町の高齢者の知的好奇心を刺激し、多くの高齢者だけでなく、子ども達も含め多くの町民が利用し、お達者度や健康寿命の延伸につながればと思います。



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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 17:18 │一般質問医療・健康・保健高齢者

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