2018年06月14日

<一般質問>子ども会の活動を盛り上げよう

下記、一般質問原稿掲載

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標題『2.清水町子ども会育成連合会について』について質問します。

まずは、子ども会の始まりについて、公益社団法人全国子ども会連合会のHPを見てみますと、子ども会の源流は、その呼び方にとらわれることなく遡れば、江戸時代における会津藩士の師弟の「遊びの什(あそびのじゅう)」や薩摩の郷中教育(ごじゅうきょういく)、または庶民を対象とした寺子屋にまで至ることができます。

ただ、今日の子ども会の多くは、昭和20年の終戦を境にした価値観の変動、物質的窮乏の中で生まれたといってよいだろう。

昭和21年10月7日文部省は各地方長官あてに「青少年不良化防止対策要網」を通達し、『終戦後思想の混迷、経済活動の逼迫に伴い、最近青少年の犯罪が急増し、しかも悪性の度を加えつつあることは極めて憂慮すべき問題』であるとし、「地域において実施すべき施設(事業の意)」を示した。
さらに、同年10月19日引き続き社会教育局長から出された「児童愛護班結成活動に関する通知」が子ども会結成の大きな役割を果たしたといえよう。

一方、昭和22年12月には、児童福祉法が公布され、地域における児童福祉施設の設置が促進されることになり、さらに、23年11月には厚生省児童局は「児童指導班結成及び運営要網」を作成し、各都道府県にその結成促進方を指示した。
子ども会育成の上で重要な役割を担うもう一つの流れは、昭和26年全国社会福祉協議会が結成され、厚生省と共催した「子どもレクリエーション・キャンプ指導者講習会」に始まる。この講習会は27年から「グループワーク講習会」となりさらに30 年「児童集団指導者講習会」として36年まで継続された。
また、文部省では、子ども会等少年団体育成活動の振興を図るため、昭和38年「少年生活指導研究会」を開催。昭和40年より「子ども会等少年団体指導者育成委員事業」、昭和43年「子ども会等少年団体育成研究協議会」として45年まで続けられた。



こうして古くから、子どもを育成する組織というのは、時代は変われど、その必要性については、古今東西変わらないものだと思います。

さて、地域の子供の健全育成を図る「子ども会」を束ねる静岡県内各市町の「子ども会連合会」が苦境に立たされています。
価値観の多様化に加え、少子化の影響でイベントの参加者は減少。役員の多忙さを理由に連合会を脱退する動きもあり、一部地域ではイベントの縮小を余儀なくされています。

裾野市子ども会育成連絡協議会では、これまで5地区で構成していましたが、「役員の負担が重い」などとして2016年度までに4地区が脱退。厳しい運営を迫られ、17年度は前年度まで開催してきた子ども発表展示会やレクリエーション大会などを取りやめ、主催する事業が半減する事態に陥ったとのことです。

県子連によると、県内の市町子連の会員は1980年度の37万4190人をピークに減少が始まりました。少子化の影響や裾野市のように「役員が出せない」などと脱退するケースがあり、2016年度はピーク時の半分以下の14万3601人まで落ち込んでいます。
県内各地で子ども会連合会が解散に追い込まれ、近年も伊東、富士宮、焼津の各市子連が解散し、1980年度以降で13市町子連が解散に追い込まれました。
こうした県下の状況の中、清水町は、子ども会加入者が、昨年度、小学生で1,526人となっています。昨年度の小学生の在籍児童数が1,836人ですので加入率が83%となります。
県東部を見ますと、清水町より人口が多いであろう、函南町が728人、裾野市が711人、熱海市541人となっています。

このように子ども会の会員数の減少、連合会の解散が静岡県に限らず、全国的な傾向だと思いますが、清水町子ども会育成連合会や各地区の単位子ども会は、こうした社会の変化の中でも活動を行っています。

私の住む長沢でも、どんど焼きや区や神社のお祭り、廃品回収、児童公園の草取りなどを地域の皆さんと協力して行い、地域を支える中核的な団体として、活動しています。

清水町子ども会育成連合会も、秋に「こどもフェスティバル」を開催するなど、活発に活動を行っています。
「こどもフェスティバル」について少し詳しく説明しますが、毎年、秋に地域交流センターを全館貸切って開催しており、今年は10月21日に開催し、4回目を迎えます。

もともと町子連として、11月に卸団地で開催されている「ふれあい広場」に参加していましたが、うどん・そばを売っているだけで子ども会としてどうなのかという意見が出て、代わりに「こどもフェスティバル」を開催するに至った経緯があります。
これまで3回の「こどもフェスティバル」が開催されてきましたが、「こどもフェスティバルの思い」は

”つなぐ~体験をとおして~”をテーマに、みんな楽しく
「いろんな体験をとおして子どもたちの夢へ」
「校区をこえた友だちを」
「地域の大人と子どもを」
「地域の中高生と子どもを」
つ・な・ぐ!!そんなイベントを目指しています。

運営にあたっては、
子どもフェスティバル実行委員会を組織し、大人・中高生・子どもがいっしょに多くを楽しみ、自分の役わり・責任を果たすこと、異年齢との“ななめのつながり”を広げていくことを目的とします。
こども実行委員を中高生や大人が支え、共にいろんな体験を重ねる中で
「楽しかった!」「できた!」「がんばった!」「いろんな仲間がたくさんできた!」
そんな声が全員から聞こえる実行委員会を目指しています。

これまで行われたイベントでは、さまざまなコーナーを設け
・紙飛行機
・バルーンアート
・お豆はこび
・科学手品
・幼児コーナー
・プラパン
・レインボールーム
・ダイドー自動販売機工作
・ネイルアートやボディペインティング
・食育コーナー(みそ)

などを開催しています。

実行委員会は、夏から準備を始め、実行委員となる小学生・中学生・高校生が集まり、小学生が班に分かれて、さまざまなコーナーを体験するなどして、自分が担当したいコーナーを決めていき、イベント当日まで、準備を重ねていきます。

当日は、各コーナーの担当は、もちろん、開会式の司会進行など小学生が主体的に運営を担い、5~600人くらいの親子連れでにぎわいます。


また、5月のゴールデンウイークに開催された清水町子ども会育成連合会主催の箱根の里合宿についても紹介したいと思います。

この合宿は、町内3小学校の小学生が4年生から6年生まで23人、清水町リーダースクラブの中高生らによるジュニアリーダー20人ほど、同連合会の役員ら10人ほどが参加しました。

合宿の目的は、
「箱根山ろくの大自然の中で、ハイキングや様々な体験を通して、仲間づくりの大切さや自然に親しむ心を養う」とあります。

合宿では、ジュニアリーダーの中高生が、運営を行い、小学生と一緒にハイキング、キャンプファイヤー、すいとんづくりなどを行いました。

今回、改めて清水町リーダースクラブの皆さんの活動に気持ちのいい思いをしました。
バスの中やハイキングの途中など歌を歌うなどして、子どもたちと積極的にふれあい、一体感をつくり、準備や片づけ、掃除など気が付いたことをみんなに指示をしていました。
また、解散時には、参加した小学生をみんなで見送っていました。

リーダースクラブは、ジュニアリーダーとして学校や学年を超え、町・地域・子ども会との活動を通じて、自らの成長を感じながら、明るいまちづくりに貢献する中学生・高校生の集まりです。
清水町では、県下でも多くのジュニアリーダーが在籍し、地域や子ども会活動の中で行われる行事や体験活動のリーダーとして活躍していています。
今回の合宿でもリーダーシップを発揮して、仲間と協力しながら、小学生のよきお兄さん、お姉さんとして活動していました。

以前聴いた講演で子どもには、ナナメの関係が必要という話を聴きました。

タテの関係は親子、先生・生徒。ヨコの関係は友達同士。
地域社会が後退していて、何が不足しているかというとナナメの関係だそうです。

住宅を例に出すとタテは柱、ヨコは梁。柱と梁だけでは、ちょっとした地震で家が倒れる。
だからナナメの筋交いを多く入れないといけない。筋交いをどれくらい多く入れるかが、人間関係をどれくらい強くするか決まります。

ちょっといじめられてもナナメの関係があれば対処できます。
おじいちゃん、おばあちゃん、おじさん、おばさん、お兄ちゃん、お姉ちゃんといった利害関係のない第三者が必要です。

肉親でなくてもいいのでコミュニケーションを気軽に取れるナナメの関係を豊かにすることが必要です。

親に「家から出て行け」と言われても、おじいちゃん、おばあちゃんなどナナメの関係で癒されたり勇気づけられたりすることもあります。

会社の上司から注意されると頭にくるが、飲み屋で先輩に言われるとそうかなと思ったりします。
ナナメの関係が不足すると自己認知が下がる傾向があります。

子どもたちにとってのお兄さん・お姉さん役を増産しないといけないわけですが、今回の合宿でナナメの関係である学年の違う友達やジュニアリーダー、役員のお父さん、お母さんとの関係が重要であると改めて認識しました。

子ども達の人間関係を網の目のようにネットでとらえ、地域で育てていく活動を今後、ますます活発にしていく必要があります。

小学生、中学生、高校生、社会人・地域の皆さんが、世代を超えて交流し、この合宿で仲間作りができたと思います。

ただ、こうした充実した活動をするには、やはり役員の皆さんの負担が重くなります。

こうした子ども会の活動について町としてもさらに注目して、盛り上げていければと思いますが、清水町として、子ども会をどう考えているのかを伺います。

【答弁】こども未来課長
本町の子ども会育成連合会は、子供たちの健全な育成を図るため、レクリエーションやボランティアなどを通じて仲間づくりを目的に活動しておりますが、議員御指摘のように、価値観の多様化や少子化、更には役員の多忙を理由に本町でも脱退する会員も見受けられます。
町といたしましては、子ども会は地域における異年齢間の交流の場として必要不可欠な組織であり、現在の本町の子ども会育成連合会は、新たな主催事業の実施や積極的に様々な地域活動に参加していることから、町の活動事業費補助金等で支援をしているところであります。
今後におきましても「元気な子どもの声が聞こえるまち」として、単位子ども会、そしてそれを支援している子ども会育成連合会に対し、地域に根づいた安定した活動が実施できるよう引き続き支援してまいりたいと考えております。


【まとめ】
子どもの育成を考えた場合、家庭、学校、習い事など、子どもの取り巻く環境、社会は多様化してきております。

家庭においては、核家族化が進み、兄弟姉妹も少なくなり、共働き家庭も増えて、昔に比べて、おじいちゃん、おばあちゃん、お兄ちゃん、お姉ちゃんと接する子供も少なくなってきて、家庭での育成能力も減ってきていると思われます。
また、学校は、教科の教育が中心で異年齢集団間の好ましい人間関係を構築することは、難しいと思われます。

ただ、今は、昔に比べ、さまざまな習い事があり、子供が社会と接する選択肢も増えてきています。
そうした習い事などの中で異年齢集団間の人間関係の構築していくこともありますが、昨今の子どもへの事件などを考えれば、やはり地域で子どもを育成、見守っていくことが重要であると思われます。
そうした地域での子供の育成や見守りを考えると子ども会活動の重要性は、ますます増してくるのだと思います。

町も子ども会の活動を積極的にバックアップしていただき、子ども会だから活動できるような、時代に会った体験ができるような企画をともに考えるなど、魅力的な子ども会活動に寄与していただきたいと思います。
長野県茅野市では、市内における子ども会の健全な活動を促進するため、他の子ども会のモデルとなるような特色があり、子どもの主体性を発揮できる事業を行う子ども会に、市が補助金を交付しています。
子ども会活動がより、活性化していくための仕掛けづくりを町としても取り組んでいただけますよう期待いたしまして私の質問を終わります。



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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 17:08 │一般質問青少年健全育成

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