「市民トリアージ訓練」

昨日は、福祉センターで
災害VC清水町連絡会で市民トリアージ訓練が行われ参加。

講師は、NPO法人災害・医療・町づくりの
安田清理事長で元静岡県立総合病院の整形外科の先生である。

先生が最初にお話されたのは、
「まず生き残れ」という話だった。

災害に備えるために
食料や水などを備蓄する人は多いが、
災害時に餓死や脱水死したという報告はされていない。

まずは、生き残るためにはどうするかを考える。

釜石市のある地域では、
ハザードマップで津波浸水域に指定された人は
ほとんど助かったが、
想定浸水域外の住人の方が多数死んでいた。

ハザードマップやマニュアルに頼るのではなく、
できる限りの安全な避難や備えをしておくことが重要である。

倒れた家屋！多くの人が生き埋め！
呼んでも来ない救急車！
現場には医師は一人もいない！
県下全体が同じ景色！
外からの援助は24時間以上先！
火が回ってくる！

静岡市の千代田消防では、
東海地震発生時には、
〇１１９の電話には対応できない
〇消防車10台は独自の判断で消火を行わざるを得ない。消防団や自主防の協力が必要
〇救急車5台は救護所でトリアージされた患者の病院搬送に専念する
〇瓦礫救出は１隊のみ


災害が起きたら
とにかくケガをしないようにする。
ケガをしても病院ではたいした治療もしてくれない。

災害時にケガをした場合、
災害現場→救護所→病院→災害拠点病院→広域搬送

という流れになり、
救護所は、清水町内では総合運動公園、清水中学校、沼津商業高校の3か所。


「NPO法人災害・医療・町づくり」は、
平成19年6月に設立され
「地域の命は地域で守る」を目標にしている。

〇重傷者は24時間治療ができなければほとんど助からない
〇地域のあらゆる人的資源を投入し必要なことをやるしかない
行政・消防・医療はもちろん、市民も企業も
私が家族や近所の人を助けるしかない！
＊これがNPO活動の原点！


大災害では情報と道路の確保が困難であり、しかも大事！

〇最先端の町内会が、医療ニーズ・道路情報・物資情報を集め現地から情報発信することが必須！
〇最後の情報ツールは足。（地元の人間なら土地勘もあり、中学生が自転車でも情報を集められる）
〇情報は大事！しかし情報ツールは限られt芸る必須な情報のみ、最少の時間で！
〇どこから情報を誰が受けたが記録残す
〇集められた情報は組織間で共有する姿勢が必要



まとめ

〇災害の急性期には命が一番大事な時期がある
〇県内はどこも地元の消防や医療で対応でいない人的被害が出る
〇地域により被害の種類・程度は異なる
〇県内同士の支援はあり得ない
〇外からの支援は24時間は来ない、と思おう
〇であれば、地域の総力を挙げて、地域を守ろう
〇市民は大きな力になりうる
〇防災の基本はおらが町を守ること！


講義の後、市民トリアージの選択方法の実習が行われる。

トリアージでは、赤、緑、黒、黄の4色のタッグがあり、

〇赤　最優先で搬送や治療が必要な方
〇緑　救護所へ搬送、優先順位は赤・黄色タッグの後
〇黒　優先順位が最後
〇黄　搬送や入院治療が必要な方


優先順位で並べると

赤→黄→緑→黒
となる。

クラッシュ症候群について先生から説明がある。

クラッシュ症候群は、四肢が長時間はさまれていると、
酸素不足で筋肉細胞の破壊が進み、
圧迫が除去されるとカリウムにより心停止を起こしたり、
脱水やミオグロビンにより急性腎不全を起こす

キーワードは、「2時間以上挟まれていた」「麻痺がある」の２つ


＜トリアージの選択方法は下記の手順＞

①柱や壁などに手や足を2時間以上挟まれていたか？　〇→赤タッグ
　　×↓
②自分で歩けるか？　〇→緑タッグ
　　×↓
③自分で呼吸しているか？　　
　　×→下顎を持ち上げたり口の中の異物を取り除いて、自分で呼吸するか？　
　　　　×　→黒タッグ
　　　　〇　→赤タッグ
　　〇↓
④呼吸回数は？1分間に30回以上　〇→赤タッグ
　　×↓
⑤手首の動脈は触れるか？　×→赤タッグ
　　〇↓
⑥手を握って・目を開けて等の指示に応じれるか？　×→赤タッグ
　　〇↓
　　　黄タッグ


※クラッシュ症候群と思われる人は、できる限り水を飲ませて、救護所へ運ばないですぐに透析可能な病院に搬送する。

※呼吸は、寝かせて胸の動きで確認できる。