2016年04月09日

<泉のまちカレッジ>地域に根ざした居場所づくり

9日(土)に地域交流センターで開催された
第190回泉のまちカレッジ
地域に根ざした居場所づくり~袋井駅前の「もうひとつの家」から学ぶ~
を聴講する。

講師は、NPO法人「たすけあい遠州」理事長の稲葉ゆり子氏。

平成12年にNPO法人あすけあい遠州を立ち上げ、
袋井駅前で地域の高齢者のための居場所「もうひとつの家」を運営している。

下記、内閣府HP転載
http://www8.cao.go.jp/kourei/kou-kei/h25ageless/jirei-21.html

*******************

~絶えず地域に目を向けて支援の手をさしのべる居場所~

団体名NPO法人たすけあい遠州

地域静岡県袋井市

構成員120名(65歳以上の者の占める割合:71%)

活動概要働く女性支援やたすけあいの仲間づくりを目的に、団体を設立。困った時はおたがいさまで、夕食の宅配や有償のたすけあい活動を始めた。介護保険開始後は有償活動を時間通貨(周)に換えてたすけあい活動を続けている。誰もが自由に出入りできる居場所を開いて、ランチも提供している。

表章の事例区分 支え合い活動

キーワード居場所/会食/高齢者を中心に日常のたすけあい活動
(注)構成員等は、平成25年4月1日時点



活動のきっかけ

働く女性を応援しよう

 「働く女性を応援しながら、困った時に助け合える仲間を作ろう。各々の時間と知恵を出し合いながら、必要なことを必要なだけ支援する活動をしよう。」と賛同者34名で、平成7年に「ふれあい袋井」を立ち上げました。平成9年に「たすけあい遠州」と名称を変更し、平成12年に特定非営利活法人の認証を受けて「NPO法人たすけあい遠州」という現在の名称となりました。
 居場所「もうひとつの家」は、平成11年、初代として住宅街にある2階建て住宅、2代目は旧東海道袋井宿西陣跡地の家、3代目は田んぼの中の300坪の敷地に平屋2棟、4代目は、平成21年に「駅前シャッターを上げて!」の声に応え、袋井市駅前通りでシャッターが下りたままの間口3.4m×奥行9mの空き店舗へ移転し、現在に至っています。



活動内容や現在の活動状況

配食から会食へ

最初に取り組んだのは、子育てをしながら仕事を頑張っている女性や親を看ながら働いている女性たちに夕食を届ける活動でした。高齢者からの要望も増えてきたので、2年後、小さな家を借りて厨房をつくり、営業許可を取り、「ごっつぉうハウス」と名付けました。地元の農家と野菜でつながり、精神障害者の社会復帰作業所の人たちは、この家の庭を使って「縁側ショップ」も始めました。
 そんな時、「留守にする家を借りてほしい」という声がかかり、その家を「自分の家以外に、いつ来てもいい、いつ帰ってもいい、もうひとつの家」にしました。それが初代の「もうひとつの家」です。現在の「もうひとつの家」は駅前で、入口には「ひと休みしたい方、電車やバスをお待ちの方、待ち合わせの方、トイレを使いたい方 どうぞ」という張り紙がしてあります。毎週火曜日から土曜日、午前9時から午後5時まで、高齢者や世代間交流を行いたい人、200円~のランチを楽しみに来る人、袋井駅を利用する人、ふと立ち寄る人などの出会いの場となっています。
 また、金曜日を中心にスタッフがそれぞれ「気になる人」をさりげなく訪問し、傾聴する「きんみみ」という活動も実施されています。



ポイント、工夫している点

時間通貨「周」を活用し、仲間の助け合い

 子育ての応援、高齢者の支援など、日常的な課題に対応する有償のたすけあい活動は、介護保険がはじまるまで続けました。が、軽易な活動への感謝は「周」に「ありがとう」を添えて渡すだけということになりました。気軽に依頼し、気軽にたすけあえる「周」は仲間をつなぐ役割をこなします。



課題と今後の展開

絶えず地域の課題に目を向けて

 目の前の小さな課題を女性たちの思いで解決できる場面もあれば、男性の応援が必要な場面に出会うこともあります。高齢者の「働く世代の応援」として活動を継続していこうとしています。
 公的サービス制度が整備されたり、他団体などが同じ内容の活動を始めたりすると、その活動はそちらに任せることにしています。絶えず地域の中の課題に目を向け、その解決に向けて多面的に検討し、会員の意見を大切に実践することとしています。

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さわやか福祉財団のHPを見ると

自由な「ふれあいの居場所」では、人々は受け入れ合いお互いを認め合う関係が生まれます。それは、人と人との間に安心感を生み、居場所で出会った人たちは、自然にふれあう関係となり、そして、いずれ助け合う関係になっていきます。


<求められる居場所の姿>

「自分の存在を認識できる」
人とふれあい、助け合いの中で自分に自信を持つ

「経験や能力を生かすことができる」
自分の役割を見出すことで、生きがいをつくる


「時間を自由に過ごすことができる」
一人で読書や裁縫をするもよし、みんなでおしゃべりしたりゲームをするもよし

「誰もが利用できる」
子ども、高齢者、障碍者、勤労者及び主婦といったさまざなま立場の人々

「いつでも立ち寄れて、いつでも帰ることができる」

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つながり・ふれいあいのある地域

〇誰でもいつでも気軽に集まる場所があり、 日常的な助けあいが行われている。

〇地域組織が、幅広く随時対応の助け合いを行っている。

〇NPO等が、地縁組織ではやれていないテーマ型(家事援助、移動、配食など)の助け合いを行っている。

〇地縁組織とNPO等が、ネットワークを組み必要なサービスを提供している

地縁組織が、幅広く随時対応の助け合いを行っている。
→地縁の助け合い

ほんのちょっと大変な時の助け合いが必要

住民主体の助け合い活動の創出

〇居場所
〇地縁の助け合い
〇有償ボランティア

生活支援コーディネーター



居場所の良さは、自由参加でサロンとの違い、年齢、場所、時間の自由さがある。

「もうひとつの家」の案内表示には、

「一休みしたい方
電車バスをお持ちの方
待ち合わせの方
トイレを使いたい方
どうぞゆっくりしてください」
と書かれている。

2つのテーブルがあるだけの4代目の居場所

ビールを買ってきて飲むのはいい。
駅前なので遠来の人も来る。

自由にどうぞ
入っていい
座っていい

何時間でも座っている人もいる。

ここにくりゃ だれかに あえる

出会う人は
・異世代の人
・地域の人
・懐かしい人
・はじめての人
・県内外の人


☆居場所のつぶやき
「ここには役割がある」80~90代の方がお茶を出す。
「ありがとう」を言ってもらえる。
 3世代住んでいてもありがとうって言ってもらえない。
 自分自身もありがとうって言うこともあまりなかった。

気になる人ができて、助け合いが始まる。
「このごろどうしている?」って、ちょっと聞く。

子どもの貧困対策にも取り組み
カレーの日を月2回行っている。

子どもは高校生まで無料で80歳以上も無料
それ以外の人は200円で普通もり



出会います

人 地域の人・県内外の人・異世代の人・国外の人
  初めての人・懐かしい人

情報 地域行事・文化活動・社会状況
   知りたい情報・お得な情報

袋井駅前に移転して7年になるが、毎日初めての人が必ずいる。



たすけあい
〇「ちょっと困った」とき、気軽に頼める人がいるか、いないか~地域~

〇「お礼でしないでは頼みにくい」~有償ボランティア~ 例 時間通貨

〇「気になる人」へ手助けしやすい状況づくり

〇どんな時にも人にはできることがあり。手法もいろいろ。



助け合いを広める効果は、当事者の生きがいの創出し、
介護予防につながり、保険料上昇の抑制の効果がある。
やれることはやってもらう

奄美のある島は、
助け合い活動の広がり、公共サービス(A型の縮小)介護保険料の抑制へ


たすけあい遠州の正会員30人 

もうひとつの家の家賃 75600円
300円ランチを提供スタッフの交通費くらいになる。
寄付金が家賃代くらい入る。
17年やっているがケガ等はない。

70代認知症の人が裁縫をやっている。



長寿介護課 松下保健師

介護予防・日常生活支援総合事業の推進に向けて

高齢化率 平成28年度 24.5%

26年度の町内世帯は、13,281世帯、
うち高齢者のいる世帯 5,044世帯 37.98%
 子らと同居世帯 2,883世帯 21.7%
 高齢者のみで構成されている世帯 2,161世帯 16.27%
  うち夫婦のみ世帯 969世帯 7.3%
  うち一人暮らし高齢者世帯 1,126世帯 8.48%

平成26年度の介護保険制度を利用りしている要支援要介護の方は1,032人で全体の14%
要支援1 135
要支援2 166


国民生活基礎調査によると
65 歳以上の者のいる世帯を100%とした場合、
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa14/dl/02.pdf

全国で平成26年度の65歳以上の高齢者の単独世帯は、25.3%(清水町22.3%)
夫婦のみの世帯 30.7%(清水町19.2%)
65 歳以上の者のみの世帯 51.7%(清水町42.8%)

親と未婚の子のみの世帯 20.1 %
三世代世帯 13.2 %

要支援12
介護予防訪問介護の利用者に占める各サービス内容の提供割合

大和高田市のケアプラン分析の例
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000087549.pdf

掃除機をかける 81.7%
トイレ掃除 73.6%
掃き掃除 71.8%
風呂掃除 53.1%
食材の買い物 42.1%
日用品の買い物 34.1%

特別介護の専門性を必要としていないケースがほとんどである。


地域包括ケアシステムの構築について
30年の4月スタートを目指して準備をしていく
生活支援コーディネーターの育成





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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 21:00 │高齢者介護

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