2015年06月30日

<少子化対策>手詰まり感 目標数値見直しも 県「まず実態把握」-本県出生率1.50 大幅下落

下記、6月11日の静岡新聞

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少子化対策 手詰まり感 目標数値見直しも 県「まず実態把握」-本県出生率1.50 大幅下落
2015/06/11 静岡新聞 朝刊

 2014年の人口動態統計(概数)で本県の合計特殊出生率は前年比0・03ポイント減の1・50と、大幅な下落に転じた。県目標値の「2」に遠く及ばず、政策プランにうたう17年度中の達成は極めて困難な状況だ。少子化対策は事業着手から既に20年以上が経過し、手詰まり感も出ている。県は目標設定の現実的な数値への見直しも視野に、より着実な環境整備に取り組む必要に迫られそうだ。
 関係者によると14年の出生率を下げた要因の一つに、全ての団塊ジュニア世代(1971~74年生)が40代に移行した点が挙げられる。
 本県の出生率は03、04年に底打ち(1・37)して以降、この10年は緩やかに改善を続けていた。30代になった団塊ジュニアが30代後半にかけ相次いで“駆け込み出産”したとみられる。この世代が主な出産層から抜けた途端に水準が落ち込んだことに、ある職員は「20~30代に施策が響いていないと言われても仕方のない結果」とショックを隠さない。
 女性の平均初産年齢は2012年時点で30歳を超え、13年は30・1歳。行政側からは、性別を問わず人生観が多様化していることで「対策の構築がことさら難しい」との声も聞かれる。
 こうした中、県は高校生や大学生、新入社員向けに妊娠、出産をテーマにした教育を新たに始めた。妊娠適齢期について生物学的に教える内容という。
 河森佳奈子こども未来局長は今回の結果を受け「まず実態把握に努める」と強調する。その上で妊娠、出産教育の意義について「例えば卵子の老化などの正しい知識が、人生設計を考える材料になれば」と話す。
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 【合計特殊出生率】
 1人の女性が生涯に産む子供の数を推定する指標。本県は2003、04年に最低の1・37を記録。最近は緩やかに改善傾向にあったが、14年は3年ぶりに前年比マイナスに転じた。県の目標値「2」は、2人以上の子供を持ちたいと希望する20~40代の男女が多いことから政策プランの中で今年2月に打ち出した。ただ、県議会からは「高すぎて現実的でない」との異論も出ていた。

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独自取り組みで実績 少子化対策-裾野市 長泉町
2015/06/11 静岡新聞 朝刊

 合計特殊出生率が県全体で数字を下げた一方、独自の取り組みで実績を上げている市町もある。
 裾野市は若い夫婦の移住を取り込む宅地購入や住宅建築への補助金制度とともに、子育てしやすい環境づくりとして中学3年まで医療費の自己負担をゼロとしている。こうした施策などもあって、最新の2012年は前回調査の5年前から0・2ポイント増の1・82に引き上げた。
 長泉町と同率の県内トップで、市は20年までの目標値を人口を維持できる水準の2・07に据えた。
 同様に長泉町は高い財政力を背景に、早期に子育て関連施策を打ち立ててきた。きょうだいの通園状況にかかわらず第3子以降の保育料を無料とする事業など。近隣市町の若者世帯を取り込み、出生率は長く県内トップ水準を維持している。
 県はこうした好例を他市町に波及させようと、一層の情報共有も図る考え。

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○静岡県の少子化関連データ
http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-130/documents/261127syousika-data.pdf

清水町における最新の数値は、2008年~2012年までのもので1.62。
裾野市及び長泉町は1.82、御殿場市1.68、函南町1.49、三島市1.47、沼津市1.46。


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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 15:03 │人口・移住定住子育て

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