2013年03月16日
<一般質問>学校司書の配置を
下記、11日の一般質問原稿掲載
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まず、学校司書について改めて押さえておきたいと思いますが、文部科学省のHPに、『司書教諭といわゆる「学校司書」に関する制度上の比較』というのが掲載されています。
「司書教諭」は、
設置根拠として、・学校図書館法第5条第1項に〜 12学級以上の学校には必ず置かなければならない。(11学級以下の学校については、当分の間、設置を猶予。)
とあります。
資格としては、
・司書教諭の講習を修了した者《学校図書館法第5条・公費負担第2項後段》
とあります。
これに対して「学校司書」は、
制度上の設置根拠も資格もありません。
学校図書館には、司書教諭がいれば、制度上は問題ないのかもしれませんが、全国的には、教諭が担任等もちながら学校図書館の運営を行うのではなく、司書資格を有する方や司書教諭などの資格を有する教員OBの方が学校司書として常勤・非常勤で働いているケースが多いようです。
清水町では、学校司書が配置されていないわけですが、過去、議会一般質問で、この問題について取り上げてきた方がいます。
森野議員が平成8年第3回定例会と平成20年第4回定例会、鈴木勝一議員が平成24年第2回定例会です。
鈴木議員の平成24年第2回定例会での質問に当町の現状として、飯田課長が下記のように答弁しています。
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小・中学校では、司書教諭が中心となって学校図書館を運営しておりますが、他の教員同様に授業を受け持っていることから、図書館の維持・管理や図書館指導に専念できる体制にはなっておりません。
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さかのぼって、森野議員が平成20年第4回定例会が取り上げた際には、山本町長がこのように答弁しています。
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読書習慣は、確かに学校での集団生活で培われるということを私も等しく認識をしております。そして、読書は子供の宝であると、かように承知をしております。
私たちは、たった1冊の本との出合いによって、自分の人生が大きく変化し、いい影響を受けるということがしばしばあります。そうした意味で、幼少の時代にそうした環境に恵まれて、司書がいたことによって大きくその後の人生に展開があるとすれば、大変大事なことであると思います。
御指摘の点につきましては、教育長部局を中心に検討をさせていただきたいと、かように御答弁申し上げます。
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以上が町長答弁ですが、
さらにさかのぼって、平成18年4月に町教育委員会で作成された「清水町子ども読書活動推進計画」というのがあります。
今から7年前のものですが、こちらの計画の「第3章目標値」に5年後の平成23年の学校図書館司書の配置割合が50%に設定されています。
7年前の町の計画でも4年前の町長の答弁でも、こうした経緯からして学校司書の配置について、とっくに実現されているものと思われますが、現状としては平成18年のときのまま0%であります。
公益社団法人全国学校図書館協議会がまとめた「学校図書館整備施策の実施状況」というのがありまして全国の自治体の「平成24年度学校図書館整備施策に関するアンケート」の結果が掲載されています。
清水町は、このアンケートに答えていないのか空欄になっていますが、近隣自治体を見ますと、沼津市、三島市、長泉町、函南町、いずれも回答が掲載されていまして、学校司書が配置されています。三島市と長泉町が各学校に一人ずつ配置され、沼津市と函南町は、一人の学校司書が複数校に勤務する形となっています。
沼津市の事例を取り上げますと沼津市では、小中学校3校に一人の割合で学校司書を配置しているとのことです。1校あたり一日5時間勤務し、41日間、年間205時間を3校で123日間615時間の勤務となっています。時給1000円で働いているとのことですので、年間、一人の学校司書さんに61万5千円を支給している計算になります。
清水町の場合、小中学校で5校になりますので仮に学校司書を一人採用して、月曜日から金曜日まで1校ずつ勤務してもらえば、年間102万5千円です。
子ども達への読書活動の推進のことを考えれば、決して高い金額ではないと考えます。
私は、平成22年第4回定例会一般質問で「図書館活用教育の推進について」と題して質問しました。
山形県鶴岡市立朝暘第一小学校の取り組みを紹介し、その後、平成23年度に当町の教育関係者も視察していただきました。
朝暘第一小学校では、平成20年度で、年間一人当たり152冊の本を借りている事例を紹介しましたが、当町の西小学校では、2月18日付けの学校からのたよりで、4月から2月までの年間貸出数が5204冊、一人あたり平均約9.5冊となっていました。
あまりの差に歴然とします。ちなみにさきほどの平成18年策定の「清水町子ども読書活動推進計画」では、平成23年の目標値で小学生の目標読書冊数が1か月10冊以上になっています。年間にすれば120冊以上です。もちろん学校図書館で借りなくても本を読むことはできると思いますが、当町の小学校の現状からみますとかなりハードルの高い設定になっていると思います。
こうした清水町の子ども達の学校図書館に対しての利用率の低さは、とても残念な結果です。来年度当初予算で小学校の学校図書整備費をみますと187万円となっています。今年度も185万円で、これを3校で割ると1校あたり61万6,666円です。
さきほどの「平成24年度学校図書館整備施策に関するアンケート」によりますと小学校1校あたりの図書購入予算額が、長泉町は80万円とかなり高いですが、沼津市は36万2,125円、三島市60万8,286円、函南町57万8,200円より高い数字になります。
この数字は、小さい学校が多いと平均が低くなっていくと思われ、一概に比較できませんが、
しかし、あまり学校図書館が利用されていないようでは、せっかくの図書整備費も費用対効果が低くなります。
予算がないならば、図書整備費を少し削ってでも学校司書を配置し、貸出数を増やすことに力を費やすべきと考えてしまいます。
でないとせっかく買った本が生きません。多くの子ども達に読まれてこそ、本を整備する予算が生きるのであって、あまり借りられることもなく、古くなり廃棄されるのでは、公費の使い方としては、とても残念であります。
是非、学校司書を配置していただき、図書貸し出し数の増加や図書館活用教育の推進に清水町もより積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、学校司書の配置について町の考えを伺います。
【答弁】こども育成課長
教育委員会といたしましては、平成23年度に学校図書館の司書を県費で全校に配置することを県教育委員会に要望したところでありますが、現時点では未だその実現には至っておりません。
議員御提案の学校図書館への司書の配置につきましては、その必要性は教育委員会や学校においても十分認識しているところでありますので、引き続き県への要望も含めて前向きに検討してまいりたいと考えております。
【まとめ】
近隣自治体を見ますと、自治体単独で予算付けされいますので、是非、再来年度、平成26年度の当初予算には学校司書の配置が予算付けされていますよう強く要望いたしまして次の質問に移ります。
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まず、学校司書について改めて押さえておきたいと思いますが、文部科学省のHPに、『司書教諭といわゆる「学校司書」に関する制度上の比較』というのが掲載されています。
「司書教諭」は、
設置根拠として、・学校図書館法第5条第1項に〜 12学級以上の学校には必ず置かなければならない。(11学級以下の学校については、当分の間、設置を猶予。)
とあります。
資格としては、
・司書教諭の講習を修了した者《学校図書館法第5条・公費負担第2項後段》
とあります。
これに対して「学校司書」は、
制度上の設置根拠も資格もありません。
学校図書館には、司書教諭がいれば、制度上は問題ないのかもしれませんが、全国的には、教諭が担任等もちながら学校図書館の運営を行うのではなく、司書資格を有する方や司書教諭などの資格を有する教員OBの方が学校司書として常勤・非常勤で働いているケースが多いようです。
清水町では、学校司書が配置されていないわけですが、過去、議会一般質問で、この問題について取り上げてきた方がいます。
森野議員が平成8年第3回定例会と平成20年第4回定例会、鈴木勝一議員が平成24年第2回定例会です。
鈴木議員の平成24年第2回定例会での質問に当町の現状として、飯田課長が下記のように答弁しています。
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小・中学校では、司書教諭が中心となって学校図書館を運営しておりますが、他の教員同様に授業を受け持っていることから、図書館の維持・管理や図書館指導に専念できる体制にはなっておりません。
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さかのぼって、森野議員が平成20年第4回定例会が取り上げた際には、山本町長がこのように答弁しています。
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読書習慣は、確かに学校での集団生活で培われるということを私も等しく認識をしております。そして、読書は子供の宝であると、かように承知をしております。
私たちは、たった1冊の本との出合いによって、自分の人生が大きく変化し、いい影響を受けるということがしばしばあります。そうした意味で、幼少の時代にそうした環境に恵まれて、司書がいたことによって大きくその後の人生に展開があるとすれば、大変大事なことであると思います。
御指摘の点につきましては、教育長部局を中心に検討をさせていただきたいと、かように御答弁申し上げます。
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以上が町長答弁ですが、
さらにさかのぼって、平成18年4月に町教育委員会で作成された「清水町子ども読書活動推進計画」というのがあります。
今から7年前のものですが、こちらの計画の「第3章目標値」に5年後の平成23年の学校図書館司書の配置割合が50%に設定されています。
7年前の町の計画でも4年前の町長の答弁でも、こうした経緯からして学校司書の配置について、とっくに実現されているものと思われますが、現状としては平成18年のときのまま0%であります。
公益社団法人全国学校図書館協議会がまとめた「学校図書館整備施策の実施状況」というのがありまして全国の自治体の「平成24年度学校図書館整備施策に関するアンケート」の結果が掲載されています。
清水町は、このアンケートに答えていないのか空欄になっていますが、近隣自治体を見ますと、沼津市、三島市、長泉町、函南町、いずれも回答が掲載されていまして、学校司書が配置されています。三島市と長泉町が各学校に一人ずつ配置され、沼津市と函南町は、一人の学校司書が複数校に勤務する形となっています。
沼津市の事例を取り上げますと沼津市では、小中学校3校に一人の割合で学校司書を配置しているとのことです。1校あたり一日5時間勤務し、41日間、年間205時間を3校で123日間615時間の勤務となっています。時給1000円で働いているとのことですので、年間、一人の学校司書さんに61万5千円を支給している計算になります。
清水町の場合、小中学校で5校になりますので仮に学校司書を一人採用して、月曜日から金曜日まで1校ずつ勤務してもらえば、年間102万5千円です。
子ども達への読書活動の推進のことを考えれば、決して高い金額ではないと考えます。
私は、平成22年第4回定例会一般質問で「図書館活用教育の推進について」と題して質問しました。
山形県鶴岡市立朝暘第一小学校の取り組みを紹介し、その後、平成23年度に当町の教育関係者も視察していただきました。
朝暘第一小学校では、平成20年度で、年間一人当たり152冊の本を借りている事例を紹介しましたが、当町の西小学校では、2月18日付けの学校からのたよりで、4月から2月までの年間貸出数が5204冊、一人あたり平均約9.5冊となっていました。
あまりの差に歴然とします。ちなみにさきほどの平成18年策定の「清水町子ども読書活動推進計画」では、平成23年の目標値で小学生の目標読書冊数が1か月10冊以上になっています。年間にすれば120冊以上です。もちろん学校図書館で借りなくても本を読むことはできると思いますが、当町の小学校の現状からみますとかなりハードルの高い設定になっていると思います。
こうした清水町の子ども達の学校図書館に対しての利用率の低さは、とても残念な結果です。来年度当初予算で小学校の学校図書整備費をみますと187万円となっています。今年度も185万円で、これを3校で割ると1校あたり61万6,666円です。
さきほどの「平成24年度学校図書館整備施策に関するアンケート」によりますと小学校1校あたりの図書購入予算額が、長泉町は80万円とかなり高いですが、沼津市は36万2,125円、三島市60万8,286円、函南町57万8,200円より高い数字になります。
この数字は、小さい学校が多いと平均が低くなっていくと思われ、一概に比較できませんが、
しかし、あまり学校図書館が利用されていないようでは、せっかくの図書整備費も費用対効果が低くなります。
予算がないならば、図書整備費を少し削ってでも学校司書を配置し、貸出数を増やすことに力を費やすべきと考えてしまいます。
でないとせっかく買った本が生きません。多くの子ども達に読まれてこそ、本を整備する予算が生きるのであって、あまり借りられることもなく、古くなり廃棄されるのでは、公費の使い方としては、とても残念であります。
是非、学校司書を配置していただき、図書貸し出し数の増加や図書館活用教育の推進に清水町もより積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、学校司書の配置について町の考えを伺います。
【答弁】こども育成課長
教育委員会といたしましては、平成23年度に学校図書館の司書を県費で全校に配置することを県教育委員会に要望したところでありますが、現時点では未だその実現には至っておりません。
議員御提案の学校図書館への司書の配置につきましては、その必要性は教育委員会や学校においても十分認識しているところでありますので、引き続き県への要望も含めて前向きに検討してまいりたいと考えております。
【まとめ】
近隣自治体を見ますと、自治体単独で予算付けされいますので、是非、再来年度、平成26年度の当初予算には学校司書の配置が予算付けされていますよう強く要望いたしまして次の質問に移ります。
Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 19:21
│教育・学校