2010年07月08日

藤原和博氏(大阪府知事特別顧問)の講演(1)

先週、東京へ3日間ほど出張。
いくつかの勉強会へ参加する。
その一つに一般社団法人政経倶楽部連合会とう団体の例会に参加し、
藤原和博氏の講演を聴く。

藤原和博(ふじはらかずひろ)氏は、
2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として
杉並区立和田中学校の校長を務め辣腕をふるい、
「よのなか科」「夜スペ」「地域本部」などを立ち上げ、
子どもたちの学力向上に取り組み、
現在は、大阪府知事特別顧問、東京学芸大学客員教授を務め、
全国で講演活動を行い、
これまでの取り組みを紹介しているという。

特に大阪府では、2008年から知事特別顧問として
教育改革に取り組んだ結果、
半年の取り組みで
第3回全国学力テストが
小学国語Bが昨年の45位から34位になるなど、
小学生の国語・算数の全分野で順位が上昇した。

藤原さんは、1955年の東京生まれ。
東大経済学部卒業後、(株)リクルートに入社。
東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、
1993年よりヨーロッパ在住、96年同社フェローとなる。

なぜ藤原さんはバリバリのビジネスマンから校長になったのか。
その理由が3つあり、
一つに自ら進んでヨーロッパに転勤したことがある。

17年前に4歳の長男と奥さんが妊娠している状態である。

日本は成長社会から成熟社会に入った。
成熟社会とは何なのか自ら体験するために
イギリスとフランスを知ろうと
生活することを決意した。

そこで得たことは、
「教育」「介護を中心とした医療」「住宅」の3点が
重要であるとの結論である。

この3つを根底から変えないとまともな成熟した社会システムには
ならないと確信した。

その中で教育の分野に力を注ぎ込もうと
日本に帰ってから思い立った。

校長になる2つめの理由が
97年~98年に中3の公民の教科書を読んだことにある。
政治・経済・現代社会を
きちっと体系的に知る初めての教科書だが、
この教科書がすさまじくつまらないと感じた。

公民の教科書は「社会を嫌いになれ」っていう教科書。
さらに教科書がつまらないだけならいいが、
それを教えている教師が、
ほとんど社会的な生活をしていない。

教科書の内容は試験の際には仕方なく覚えるが、
これではすぐに忘れてしまう。

子どもたちは政治・経済・現代社会を自分の物事として
リアルに感じることがないまま育つ。

できたら関わりたくないとして育つ。

政治や経済、社会に関心を持たない若者が増産されている。
政治音痴の人間ばかりになり、
日本は今、その復讐を受けている。

そこでつくった本が
人生の教科書「よのなかのルール」(10万部)
そして「よのなか科」を校長の時つくった。

とにかく何とかしないと自分の子に被害が及ぶと思った。
自分の子どもが社会音痴になって社会が嫌いになってしまう。

社会科嫌いならいいが、社会(世の中)が嫌いになったら困る。

(つづく)



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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 17:29 │教育・学校

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