2017年02月02日

<成年後見>地域ぐるみで 「連携ネット」構築、自治体に温度差

下記、2月2日の静岡新聞

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成年後見、地域ぐるみで 「連携ネット」構築、自治体に温度差
(2017/2/2 17:00) 静岡新聞

 認知症など判断能力が不十分な人の財産管理などを担う成年後見制度で、内閣府の有識者委員会が2016年末に示した成年後見制度利用促進法に基づく基本計画の原案は、関係機関で連携した「地域連携ネットワーク」の構築を柱に据えた。静岡県内ではまだ、自治体間で制度への取り組み自体に差があるのが現状。県司法書士会名誉会長で、成年後見センター・リーガルサポート(東京都新宿区)の西川浩之専務理事=焼津市=は「地域連携ネットワークの構築に向けた体制が整っていない」と課題を提起する。
 1月中旬、沼津市内で成年後見制度の今後の方向性を議論する県社会福祉協議会主催の会合が開かれた。弁護士、司法書士などの専門職や自治体の担当者らが集まった。出席者から「地元の濃密なネットワークで(被後見人や後見人を)支援すべきだ」との意見や、「関係機関がどこも携わってなく、後見人の受け手がいないパターンもある」と現状の課題などが交わされた。
 地域連携ネットは「支援を必要とする人がどの地域に住んでいても、制度が利用できる」のが狙い。高齢化のさらなる進展による制度利用者の増加に備えるためだ。行政、医療や福祉、司法などの専門機関が参加し▽広報▽相談▽利用促進▽後見人サポート―などの機能を担う。原案は、地域連携ネットを専門的見地から助言する「協議会」、それらのコーディネーター役を担う「中核機関」の整備を市町村に求めている。
 ただ県内では、地域連携ネットのモデルになる「成年後見センター・成年後見支援センター」を設置しているのは浜松、富士と藤枝市の3市にとどまる。県地域福祉課の担当者も「人材不足という面もあり、成年後見制度への取り組みは、自治体で温度差がある」と実情を明かす。西川氏は「成年後見制度の充実は市町村単位では難しいところもある。広域連携の在り方も考え、県が主導的な役割を担うべきだ」と指摘する。

 <メモ>成年後見制度は2000年に導入された。認知症など判断能力が不十分な人の財産管理などについて親族をはじめ弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職、それ以外の「市民後見人」が担当する。静岡家裁のまとめによると、2015年中の成年後見制度利用者件数は5688件。ここ3年は5000件を超える状況で、高止まりが続いている。高齢化が加速し制度の利用が今後さらに増えるとして、16年4月には成年後見制度利用促進法が議員立法で成立。政府は16年度末に基本計画を策定し、制度が必要な人を早期に見つけて地域で支えることを目指している。



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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 18:18 │高齢者介護福祉障害者・障害児

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