2017年07月29日

「核ごみ」処分、静岡県中西部沿岸「最適」 経産省が地図公表

下記、静岡新聞

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「核ごみ」処分、静岡県中西部沿岸「最適」 経産省が地図公表
7/29(土) 7:52配信 静岡新聞

 経済産業省は28日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分ができる可能性のある地域を示した日本地図「科学的特性マップ」を公表した。火山や活断層が周囲になく、最終処分の候補地となり得る適地は全ての都道府県に存在し、国土の7割弱が該当。静岡県内では、静岡市から湖西市にかけての中部・西部の沿岸部の多くが「最適」とされた一方、火山や活断層が比較的多い東部・伊豆の大半は「好ましくない」となった。

 海岸から近く「最適」とされた地域のある自治体は、県内35市町のうち20市町。全国では市区町村の過半数の約900に上った。

 経産省は地図の公表で処分場選定の議論を活性化させたい考え。秋以降に「最適」とされた地域で重点的に説明会を開き、候補地選定に向けた調査への理解を広げる。

 火山の半径15キロ圏は「好ましくない」に分類されるため、富士山など火山として17カ所が対象になった東部・伊豆地域はほとんど「適地」にならなかった。富士山の火砕流や丹那断層なども考慮された。

 中部地域は、静岡市駿河区と焼津市の沿岸部の一部と、吉田町、牧之原市、御前崎市、菊川市の一部が油田・ガス田のため「好ましくない」とされた。中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)付近は「最適」だった。掛川市以西は海岸から約20キロの範囲の全域で「最適」とされた。

 核のごみは原発の使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出す再処理の過程で出る。政府は地下300メートルより深い岩盤に埋め、放射線量が低くなる数万年から約10万年先まで生活環境から隔離して最終処分する方針だ。

 「適地」は「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」地域に分類した。「適地」を含む自治体は約1500あった。このうち海岸から約20キロの範囲を、核のごみが搬入しやすい、処分場建設に最適な「輸送面でも好ましい」地域と位置付けた。国土の約3割を占めた。経産省の担当者は地図の公表について「自治体に処分場の受け入れ判断を求めるものではない」としている。

 経産省は公募に応じたり、国からの調査協力を受け入れたりした複数の地域を選び、約20年かけて詳しい調査を段階的に実施し、最終処分場の建設地を決める。

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「説明まだ」静岡県内自治体に戸惑い 「核ごみ」地図公表
7/29(土) 7:50配信静岡新聞

 国は28日に原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を最終処分できる可能性がある地域を示した「科学的特性マップ」を公表したが、地方自治体への具体的な説明はまだ行っていない。色分けされた地図を受け取っただけの静岡県と市町は、核のごみ処理事業の着実な進展を期待する一方、国に対して丁寧な対話を求めた。

 「原発と関係が薄い市町は原子力の担当部署がなく、扱いに困っている状況なのでは」。静岡市ごみ減量推進課の担当者は戸惑い気味に地図を見つめた。同担当者は過去2回、国が自治体向けに行った最終処分についての説明会に参加したが、「一般ごみでも処分地を決めるのは容易ではなく、核のごみで事業がスムーズに進むとは思えない」と先行きを心配する。

 市域ほぼ全域が「可能性がある地域」に分類された浜松市も担当部局は不明確で、市幹部職員は「庁内の対応体制整備から始め、国の動きを注視していきたい」と話すにとどめた。

 中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)が立地する御前崎市は、半世紀にわたって国策として原子力発電に協力してきた。柳沢重夫市長は「核のごみの最終処分は立地地域のみならず、消費地を含めた国民全体で考えていくことが重要」と強調する。

 国の施策の進め方について、川勝平太知事は「マップは何の判断材料にもならない。火山や活断層などがある所を避けるということは、既にみんな知っている」と批判した上で、「最終処分については、国が本当に精査して責任を持って決めないといけない」と訴えた。



 ■「多くの理解関心を」 中電社長

 中部電力の勝野哲社長は28日の定例記者会見で、同日公表された高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する科学的特性マップについて「科学的な地質の特性をそのまま表現したもので、最終処分場として適切であるという確定的なものを示したものではない」との認識を示した。その上で「最終処分の対象となる使用済み燃料を排出する責任者として、地層処分の必要性や考え方を説明させていただきながら、より多くの方に理解、関心をもってほしい」と述べた。

 原子力規制委員会の更田豊志委員長代理が今月、浜岡原発(御前崎市佐倉)を視察したことにも触れ「『安全対策に向け工夫できる余地はまだある』との意見を真摯(しんし)に受け止め、規制委員会の審査にしっかりと対応する」と話した。



 ■「再稼働と並行議論を」 元科技庁原子力局長 興・静大名誉教授

 国が核のごみの最終処分事業で「科学的特性マップ」を公表したことについて、科学技術庁(現文部科学省)で原子力局長を務めた興直孝静岡大名誉教授(73)は「国民理解を得るための第一歩」とした一方で、「検討を進めるにあたっては、再稼働による使用済み核燃料の継続的な増大をどのように考えるのか、同時並行で国民合意が得られるような議論を進める必要がある」と強調する。

 国内には既に多くの使用済み核燃料が存在し、最終処分地選定は喫緊の課題。ただし、今後も原発を動かし続けるか否かで施設の規模は異なる。「東京電力福島第1原発事故の復興と再生の実態を基に、原発の在り方を考えるべき。将来のエネルギー確保の観点も踏まえて原発の位置付けを定め、最終処分地を受け入れようとする地域への感謝の気持ちを尊重する必要がある」と指摘する。

 国は今後、マップを基に各地で対話活動を進める方針。原子力規制委員会に核のごみを最終処分する規制基準の策定を求めた上で、「候補地の選定過程から、積極的な情報公開が重要。国と原子力発電環境整備機構、電力事業者が一体となり、地域社会の理解を得る取り組みを加速させてほしい」と訴えた。

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高レベル放射性廃棄物の半減期は、
ウラン235の半減期は7億年、プルトニウムでは2万4千年。

誰が何万年、何億年も責任をもって核のゴミを管理するんだ。
しかも地震国の日本で。

●科学的特性マップ公表用サイト(経産省)
http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/nuclear/rw/kagakutekitokuseimap/area.html


タグ :原子力発電

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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 17:26 │エネルギー・原子力

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