2009年07月20日
<静岡空港>難題山積 霧の空港
下記、18日の読売新聞
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難題山積 霧の空港
(2009年7月18日 読売新聞)
悪天候で欠航便が出た日の静岡空港。上空には雲がたれ込めている(7月6日)=鈴木毅彦撮影 6月4日に開港した静岡空港で、滑走路が濃霧や雲にたびたび覆われ、旅客機の目的地変更(ダイバート)や欠航が相次いでいる。標高132メートルの台地にあり、元々霧が出やすい。開港前から赤字経営が見込まれていた同空港だが、欠航などが続けば就航している航空会社の経営を圧迫し、利用者離れももたらして空港経営をさらに悪化させかねない。(杉原洋嗣)
■開港翌日から
開港翌日の6月5日、静岡空港の上空は雲に覆われて霧が立ちこめ、離着陸予定だった定期便全18便のうち2便が中部国際空港(愛知県)に目的地を変更。この影響で機材繰りがつかず、2便が欠航した。
同21日にも8便が中部空港や羽田空港にダイバートしたり欠航したりしたほか、翌22日には韓国・ソウル発の2便が中部空港に変更して着陸した後、再び静岡空港に着陸しようと離陸したが、濃霧や雲に阻まれて結局中部空港に戻った。同日は全16便中11便がダイバートや欠航となり、約1200人に影響。今月6日も9便が欠航などになった。
県空港部によると、現在の地への空港建設は1987年、当時の斉藤滋与史知事が「県中央部に位置し、県民の利用が一番多く見込まれる」として決めた。県空港部の勝山裕之整備室長は「(建設地周辺の)雲や霧の状況も調べ、若干の恐れは承知していたが、大丈夫だろうと決めた」と話す。
東京航空地方気象台静岡空港出張所によると、空港周辺は標高が高く、雲や霧に覆われやすい。「梅雨や台風の時期以外でも、大雨の時は低い雨雲の中に入りやすい」という。空港が位置する牧之原台地は昼夜の寒暖の差が大きく水分が多いためお茶の栽培に適し、空港周辺には茶畑が広がるが、こうした地形や気象条件は霧を発生させやすく、空港にとっては悪条件だ。
■装置も期待薄
静岡空港は立ち木問題の影響で、2200メートル滑走路で暫定開港し、電波で航空機を誘導するILS(計器着陸装置)も部分運用でスタート。県空港部によると、予定された便の中で実際に運航された割合を示す就航率は16日現在で95・1%。比較対象期間は異なるが、ILSがある全国65空港の2007年度の平均(98・2%)を3・1ポイント下回る。
8月27日には当初予定の2500メートル滑走路の運用に移行し、ILSも完全運用となるが、ILSを使う場合でも一定高度より下はパイロットによる有視界飛行が必要で、低い雲や霧が立ちこめやすい静岡空港では機能に限界がある。県空港部は、「ILSが完全運用になっても、就航率は0・1%程度しか上がらない」との試算を県議会で公表している。
■航空会社の懸念
航空機が中部空港などにダイバートすれば、航空会社は余分な燃料代がかかるだけでなく、機材繰りに支障が出る。静岡―ソウル線を運航する大韓航空静岡支店の金森慶多支店長は「ここまで霧や雲が多いとは思わなかった。(ダイバートによる)燃料代などで莫大(ばくだい)な被害だ。続くようなら商売にならない」とこぼす。
利用者の不満も高まる。社員旅行で静岡を訪れ、今月6日に静岡空港から韓国に帰国予定だったパ・ミエさん(47)は、搭乗予定の便がキャンセルになり、交通費など5500円を自己負担して羽田空港から帰国することになった。「ひどい目に遭った。帰ったら、『静岡空港は天気次第で危ない空港』と広める」とパさんは声を荒らげた。
相次ぐ欠航やダイバートで影響を被った予約客や乗客の人数について、県空港部は「基本的には航空会社がやっていること」(石田博・空港管理室長)として、把握していないとしている。
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就航率は95・1%。
ILSがある全国65空港の2007年度の平均(98・2%)を3・1ポイント下回る。
ILSが完全運用になっても、就航率は0・1%程度しか上がらない。
通年で考えないと正確な比較とはならないが就航率が3%低いというは、
数字以上のマイナスな影響がある。
誰だって欠航や目的地変更されたくないから、
よりリスクの低い空港を選ぶようになるだろう。
多くの路線が1日1便の静岡空港では、
影響はより深刻だろう。
静岡空港は、現在の全ての路線が満席になっても赤字だという。
これからどうやって上昇気流にのせるんだべ?
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難題山積 霧の空港
(2009年7月18日 読売新聞)
悪天候で欠航便が出た日の静岡空港。上空には雲がたれ込めている(7月6日)=鈴木毅彦撮影 6月4日に開港した静岡空港で、滑走路が濃霧や雲にたびたび覆われ、旅客機の目的地変更(ダイバート)や欠航が相次いでいる。標高132メートルの台地にあり、元々霧が出やすい。開港前から赤字経営が見込まれていた同空港だが、欠航などが続けば就航している航空会社の経営を圧迫し、利用者離れももたらして空港経営をさらに悪化させかねない。(杉原洋嗣)
■開港翌日から
開港翌日の6月5日、静岡空港の上空は雲に覆われて霧が立ちこめ、離着陸予定だった定期便全18便のうち2便が中部国際空港(愛知県)に目的地を変更。この影響で機材繰りがつかず、2便が欠航した。
同21日にも8便が中部空港や羽田空港にダイバートしたり欠航したりしたほか、翌22日には韓国・ソウル発の2便が中部空港に変更して着陸した後、再び静岡空港に着陸しようと離陸したが、濃霧や雲に阻まれて結局中部空港に戻った。同日は全16便中11便がダイバートや欠航となり、約1200人に影響。今月6日も9便が欠航などになった。
県空港部によると、現在の地への空港建設は1987年、当時の斉藤滋与史知事が「県中央部に位置し、県民の利用が一番多く見込まれる」として決めた。県空港部の勝山裕之整備室長は「(建設地周辺の)雲や霧の状況も調べ、若干の恐れは承知していたが、大丈夫だろうと決めた」と話す。
東京航空地方気象台静岡空港出張所によると、空港周辺は標高が高く、雲や霧に覆われやすい。「梅雨や台風の時期以外でも、大雨の時は低い雨雲の中に入りやすい」という。空港が位置する牧之原台地は昼夜の寒暖の差が大きく水分が多いためお茶の栽培に適し、空港周辺には茶畑が広がるが、こうした地形や気象条件は霧を発生させやすく、空港にとっては悪条件だ。
■装置も期待薄
静岡空港は立ち木問題の影響で、2200メートル滑走路で暫定開港し、電波で航空機を誘導するILS(計器着陸装置)も部分運用でスタート。県空港部によると、予定された便の中で実際に運航された割合を示す就航率は16日現在で95・1%。比較対象期間は異なるが、ILSがある全国65空港の2007年度の平均(98・2%)を3・1ポイント下回る。
8月27日には当初予定の2500メートル滑走路の運用に移行し、ILSも完全運用となるが、ILSを使う場合でも一定高度より下はパイロットによる有視界飛行が必要で、低い雲や霧が立ちこめやすい静岡空港では機能に限界がある。県空港部は、「ILSが完全運用になっても、就航率は0・1%程度しか上がらない」との試算を県議会で公表している。
■航空会社の懸念
航空機が中部空港などにダイバートすれば、航空会社は余分な燃料代がかかるだけでなく、機材繰りに支障が出る。静岡―ソウル線を運航する大韓航空静岡支店の金森慶多支店長は「ここまで霧や雲が多いとは思わなかった。(ダイバートによる)燃料代などで莫大(ばくだい)な被害だ。続くようなら商売にならない」とこぼす。
利用者の不満も高まる。社員旅行で静岡を訪れ、今月6日に静岡空港から韓国に帰国予定だったパ・ミエさん(47)は、搭乗予定の便がキャンセルになり、交通費など5500円を自己負担して羽田空港から帰国することになった。「ひどい目に遭った。帰ったら、『静岡空港は天気次第で危ない空港』と広める」とパさんは声を荒らげた。
相次ぐ欠航やダイバートで影響を被った予約客や乗客の人数について、県空港部は「基本的には航空会社がやっていること」(石田博・空港管理室長)として、把握していないとしている。
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就航率は95・1%。
ILSがある全国65空港の2007年度の平均(98・2%)を3・1ポイント下回る。
ILSが完全運用になっても、就航率は0・1%程度しか上がらない。
通年で考えないと正確な比較とはならないが就航率が3%低いというは、
数字以上のマイナスな影響がある。
誰だって欠航や目的地変更されたくないから、
よりリスクの低い空港を選ぶようになるだろう。
多くの路線が1日1便の静岡空港では、
影響はより深刻だろう。
静岡空港は、現在の全ての路線が満席になっても赤字だという。
これからどうやって上昇気流にのせるんだべ?
Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 15:51
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