2015年01月31日

「マイナンバー制度の概要と自治体の対応」

昨日は、長泉町役場で平成26年度駿東郡町議会議長会全議員研修会が開催される。
「マイナンバー制度の概要と自治体の対応」
「マイナンバー制度の概要と自治体の対応」と題して
株式会社富士通総研経済研究所主任研究員の榎並利博氏が
講師を行ってくれた。

来年から始まるマイナンバー制度の導入にあたって、
大きなきっかけになったことに
2007年5月以降に起きた年金の納付記録問題で名寄せ問題が顕在化したことが上げられる。

名寄せによる本人特定が不可能であることを証明し、
基礎年金番号という台帳による裏付けのない番号制度がいかに国民に不利益をもたらすかを証明した。

日本人の氏名は、「辺」や「斉」など何通りもの外字が存在し、
国会議員の氏名で調べてみても5%前後の議員が氏名に外字を使っている。

ふりがなも法的に正しいふりがなはなく、日本人の氏名の名寄せは不可能である。

共通番号制度のメリットは、

①正確な本人の特定

○年金の納付記録を共通番号で管理することにより、氏名・住所・性別が変更になっても生涯変わらぬ番号で自分の権利を守ることができる。

○医療記録を共通番号で管理することにより、医療ミスを防ぐとともに、氏名・住所・性別が変更になっても生涯変わらぬ番号で自分の健康を守ることができる。

○同姓同名などで他人と誤認され、自分の権利を侵害されることがなくなる。


②弱者に対するセーフティネットの構築

○申請主義から告知型のサービスへの転換ができることにより、自分の権利を自己主張できない弱者に対しても行き届いた行政サービスを提供することができる。

○拡大する格差を是正するために、かつてのマル優制度のような弱者を優遇する制度を構築したり、生活保護申請の審査時間を短縮して迅速に対応したりすることができる。


③不正行為の防止および監視

○氏名・住所・性別が変更になっても生涯変わらぬ番号で本人が特定されるため、他人へのなりすましによる不正行為(多重債務、多重給付、脱税など)を防止することができる、行為者は共通番号と本人を結合させるカード(生体認証付き)で、本人であることを担保させることができる。

○行政機関が自分の情報にアクセスした記録を共通番号で統合的に管理・記録できるため、行政機関による不当なアクセスを自ら監視することができる。


④行政事務の効率化

○行政事務の効率化が図られ、事務コストの圧縮によって国民に対する税負担の増大を避けることができる。
 →定額給付金問題(事務経費だけで850億円)
 →外部との情報連携(市町村だけで約1000億円の効果)

マイナンバー制度における情報連携は、
情報提供ネットワークシステムを介して、
日本年金機構、国税庁、都道府県・市町村がつながり、
各方面からの情報提供ネットワークシステムへのアクセス記録は、
マイ・ポータルで国民自ら確認でき,
不正なアクセスなどは、個人情報保護委員会へ訴えることもできる。

マイナンバーの番号通知は、今年の10月ごろからで、
それを受けて申請すると個人番号カードが自治体窓口で交付される。

住基カードの機能を継承し、
公的個人認証の電子証明書(2種類)も発行する。
マイポータルが利用できるのは2017年1月以降。

マイナンバー制度の先進的な国の事例でフィンランドでは、
各医療機関の電子カルテ情報を全国ネットワーク化し、
医療機関では初診の患者であっても過去の通院履歴、病歴、処方箋などを参照し、迅速で的確な診療が可能、
自分も電子カルテ情報の参照が可能となっている。

エストニアでは、国民IDカードで運転免許証、パスポート、国民健康保険証、公的メール、オンラインバンキング、Eチケット、受験願書提出、電子投票、電子閣議、政府への発議など公的にも民間活用も進んでいる。



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Posted by 清水町議会議員 松浦俊介 at 16:35 │視察・研修マイナンバー

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