下記、静岡新聞
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新潟県と新潟市が合併構想 二重行政解消
01/25 12:51 静岡新聞
新潟県の泉田裕彦知事と新潟市の篠田昭市長は25日、共同で記者会見し、県と市の二重行政の解消や自治体の権限強化を図ることを目的とした合併構想を発表した。新潟市を解体し、東京都のような特別区に再編することを目指すとしている。
合併後の自治体の名称については「新潟州」を検討。同様の構想を提唱している大阪府や名古屋市などと連携し、国に地方自治法の改正などを通じた権限移譲を求める。
国の出先機関の廃止など、民主党政権による地域主権改革の動きが停滞する中、受け皿となる自治体の在り方をめぐる議論をリードするのが狙い。
会見で泉田知事は「(地域の)統治は国ではなく住民の意思で決めるべきだ」と構想の意義を訴えた。篠田市長は「(同様の構想を掲げる)ほかの地域と比べ、県と政令指定都市との仲は良好。協力して進めたい」と述べた。
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新潟県と新潟市との合併構想はとても興味深い。
また、両首長が連携している点もポイントである。
どういう自治体を目指すにしろ、
関係自治体が信頼関係を持って戦略的に
攻めのビジョンを持つことが必要であることは
間違いない。
ちなみに去年の7月に、奈良県奈良市春日大社「感謝共生の館」で
「関西圏政治研修会」という勉強会に参加した。
その時のレポートを一部下記掲載
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「府・県と基礎自治体の二重行政の問題点について」と題して、
「One 大阪の事例」として大阪府の立場から浅田均府議、
大阪市の立場から川嶋広稔市議が
大阪市と大阪府を統合した大阪都構想について
その狙いや問題点を話していただいた。
大阪都構想とは、東京府を東京都としたように大阪府を廃止し、
新たに大阪都を設置する構想である。
橋下徹大阪府知事と大阪維新の会の構想では府から都への名称変更が目的ではなく、
政令指定都市である大阪市・堺市と大阪市周辺の市を廃止して特別区とし、
特別区となった旧市の行政機能や財源を都に移譲・統合することを目的とする。
従来から議論となっていた大阪府と大阪市の二重行政の問題解消という点から、
「(大阪)府市合併」または「府市統合」ということもある。
大阪都構想を推進する大阪維新の会の浅田府議は、
大阪市の人口が267万人で、ひとつの基礎自治体としては、
人口が多すぎると指摘する。
奈良県は、県民の人口が140万人で37の市町村に分かれている。
それぞれに首長がいて、市町村議会員がいる。
大阪市の半分ほどの人口に首長が37人いて、
それぞれに市町村議会議員がいる。
前杉並区長だった山田宏氏が、
人口が多すぎるとカバナンス不在となり、
ひとつの基礎自治体としては、
50万人くらいが最大限で、
首長がそれ以上の人口をカバーすることは難しいと述べている事例を話し、
大阪市を30万人ほどの特別区にすべきと主張する。
これに対して、川嶋市議は、市を廃止し、
特別区を設けるとそれぞれに区議会議員が誕生し、
現在の大阪市会議員89人より多い、
200人以上の区議会議員が誕生し、
議会に関する支出が今以上の多くなることを指摘した。
また、大阪市の行政サービスは分野ごとにサービスを行っている地域の区割りが違っていて、
税・道路・水道・ゴミ収集などそれぞれ、みんなバラバラである。
現在の24の区を基準としたサービスの区割りをしているわけではないので、
仮に区を合併して30万人ほどの特別区ができて、
その区ごとに独自でサービスを行おうとすれば、
かえって非効率な事態が生じるおそれがあると指摘した。
両者の話を聴き、
川嶋市議の話の方が説明に説得力を感じる部分があった。
マスコミなどの報道では、
橋下大阪府知事の言動行動がクローズアップされ、
府と市の二重行政が大きく問題視されているが、
川嶋市議の説明を聞き、
大阪都がつくるほうが多くのムダが生じる危険性を感じる。
橋下知事の構想は、
267万人の政令指定都市を30万人の自治体に分割する構想で、
市町村合併がすすんで政令指定都市が多く誕生している現状からすると
逆行する流れでもある。