「自分はシルバーではない」元気シニア増加、報酬を重視…人材センター会員70万人割れ
下記、15日の読売新聞
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【独自】「自分はシルバーではない」元気シニア増加、報酬を重視…人材センター会員70万人割れ
9/15(水) 15:12配信 読売新聞
全国のシルバー人材センターの会員数が19年ぶりに70万人を割り込んだ。企業で働く高齢者が増えた影響で会員獲得に苦戦していたところに、新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけた形だ。元気なシニア層が増える中、「自分はシルバーではない」と考える人や、生活のために報酬を重視する層の“シルバー離れ”を指摘する声もある。
全国シルバー人材センター事業協会によると、2020年度末の会員数は約69万8000人(男性約46万2000人、女性約23万6000人)となり、前年度比1万7000人減となった。
シルバー人材センターは、1975年に東京都江戸川区に前身の「高齢者事業団」が誕生したのが始まり。86年に法制化されて全国各地でセンターの整備が進み、2002年度末には会員数が70万人を突破し、09年度末には79万人を超えた。その後は、厚生年金の支給開始年齢の段階的な引き上げに伴い、企業の定年延長や再雇用制度が広がった影響もあり、会員数が減少傾向になっている。新型コロナの感染拡大後は、外出を控える高齢者が就労をあきらめたケースも増えたという。
人口減少などで人手不足が深刻な地域では、企業や自治体、家庭などからセンターへの仕事の依頼があるのに、対応できる会員がいないため、断らざるを得ないケースも出ているという。
農作業にあたるシルバー人材センターの会員(静岡県内で)
一方、会員となった高齢者に意欲があっても、能力や経験に適した仕事を提供できないという「仕事のミスマッチ」を指摘する声もある。
センターの仕事は草むしりや清掃など短時間のものが中心で、報酬の月平均は4万円弱だ。生きがい重視で、年金収入を補完する位置づけだが、より本格的に稼ぎたい人には物足りない面がある。元気な高齢者には「シルバー」という響きに拒否感を持つ人もいる。
営業活動を強化するなどして、保育園や高齢者施設の補助業務、スーパーの接客といった仕事の選択肢を増やし、会員獲得につなげるセンターもある。広島大学大学院人間社会科学研究科の滝敦弘教授は、「各地のセンターは、それぞれの地域の特性に合わせた仕事を掘り起こし、働く意欲を持つ会員に結びつけていく努力が必要だ」と指摘する。
◆シルバー人材センター=高年齢者雇用安定法に基づき、就労を通じた高齢者の生きがいづくりや地域活性化を目的に設置された公益法人。国や自治体から運営費の一部が補助されており、全国に約1300か所ある。地域の企業や自治体などから仕事を受注し、登録した会員に提供する。会員は原則60歳以上で、平均年齢は73・8歳(20年度末)。
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清水町シルバー人材センターも昨年度は新型コロナウイルスの影響を受けている。
下記、元年度と2年度の比較
<令和元年度>
登録会員数 247人
就業延べ人数 33,339人
就業率 97.6%
受注件数 1,643件
事業収入 171,214,472円
会員配分金 132,916,303円
助成額 9,750,000円
<令和2年度>
登録会員数 245人
就業延べ人数 28,831人
就業率 90.2%
受注件数 1,356件
事業収入 148,149,772円
会員配分金 115,367,790円
助成額 9,750,000円
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