<中国の原発>放射線漏れの疑い チェルノブイリを彷彿とさせる透明性の欠如

清水町議会議員 松浦俊介

2021年06月17日 08:46

下記、ニューズウィーク日本版と共同通信

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中国の原発で放射線漏れの疑い チェルノブイリを彷彿とさせる透明性の欠如
6/15(火) 15:20配信 ニューズウィーク日本版


<運営に協力している仏企業が米エネルギー省に「差し迫った脅威」を報告するも中国側の運営会社は一切の問題を否定>

中国・広東省にある台山原子力発電所について、アメリカ政府が先週、この原発を部分的に所有・運営するフランスの企業から「放射線物質に関する差し迫った脅威」の警告を受け、放射線漏れの疑いについて評価を行っていたことが分かった。


台山原発を運営する中国広核集団(CGN)は疑惑を否定し、原発内にある複数の原子炉は正常に機能していると主張。だが一連の騒動は、原発をめぐる過去の複数の事故において隠蔽が行われた過去の事例を彷彿とさせる。

CNNが6月13日に報じたところによれば、フランスの原子力企業フラマトムは、米エネルギー省に書簡を送付。この中で、中国の安全規制当局が台山原発の運転停止を回避するために、施設外の放射線量の許容限度を引き上げていると警告し、中国の基準は既にフランスの安全基準を超えていると主張した。同社はアメリカの技術支援を求めた。

フランス電力公社の子会社で、原子炉関連設備の設計・製造およびサービスを手掛けるフラマトムは、台山原発の建設と運転に協力している。

匿名の米当局者がCNNに語ったところによれば、ジョー・バイデン米政権は同原発の状況ついて、まだ「危機レベル」にはないと考えている。

<国家安全保障会議を複数回開催>

フラマトムの広報担当者は本誌に宛てた声明の中で、「中国・広東省にある台山原子力発電所の性能問題について、解決に向けた支援を行っている」ところだと述べ、こう続けた。「現在入手可能なデータによれば、同原発は安全性評価基準内で稼働している。当社のチームは状況を評価し、起こり得るあらゆる問題に対応する解決策を提案できるように、複数の専門家と協力している」

だがCNNによれば、フラマトムが米エネルギー省に送った6月8日付の書簡には、「同原発にも一般市民にも、放射性物質に関する差し迫った脅威がある。フラマトムとしては同原発を正常運転に復帰させるために、必要な技術データと支援を送る許可を至急要請する」と書かれていた。

また書簡には、中国が引き上げた放射線量の許容限度はフランスの基準を超えているが、それがアメリカの基準を超えるものかどうかは不明だとも書かれていた。

米当局者はCNNに対して、先週は、国家安全保障会議(NSC)が複数回にわたって開かれ、この問題について話し合ったと語った。また複数の情報筋によれば、バイデン政権と米エネルギー省がこの問題についてフランス政府と協議を行い、中国政府とも連絡を取ったということだ。


中国広核集団は「問題はない」と強調
CGNは13日、危険な放射線漏れの指摘について「真実ではない」と述べ、2基の原子炉は安全要件を満たしており、正常に稼働していると主張した。

CGNは13日にウェブサイトで声明を発表。台山原発では加圧水型原子炉を2基運転しており、第2原子炉は大規模な点検を経て6月10日から運転を再開し正常に機能していると説明。「2基の原子炉の運転データはいずれも、原子力安全規則と技術面の要件を満たしている」と述べた。

またCGNは、施設の内部でも周辺でも、異常な放射線量は検知されていないと主張。「定期監視データは、台山発電所とその周辺環境、両方の環境指標が正常範囲にあることを示している」と声明で述べた。

一連の報道は、チェルノブイリ事故を彷彿とさせる不穏なものだ。1986年にチェルノブイリ原子力発電所で起きた事故の際、ソ連の当局は事故現場の放射線量に問題はないと一蹴。周辺住民に避難通知が出されたのは、事故発生から1日半が経過した後だった。国連は、この事故が原因で死亡した人の数を50人以下と推定しているが、その後、放射線被ばくが原因で何千人もの人々が命を落とした。

<G7との緊張が高まっていた>

台山原発に関する疑惑が明らかになったのと同時期に、イギリスのコーンウォールでは主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開催され、緊張が高まっていた。

中国はG7の一員ではなく、主要20カ国・地域(G20)の一員だ。在英中国大使館は13日、「世界的な決定事項」を「少数の国が決める時代はとっくに終わっている」と主張した。

G7は13日に採択した共同宣言の中で、中国を名指しで批判。中国は人権を尊重し、中国国内における新型コロナウイルスの起源について、「適切なタイミングで、透明性のある、専門家主導で科学に基づく」調査を実施する必要があると述べた。

声明はさらに「我々は農業、太陽光および衣類部門などのグローバルなサプライチェーンにおいて、国家により行われる、脆弱なグローバルおよび少数派の強制労働を含む、あらゆる形態の強制労働の利用について懸念する」と述べた。

声明は香港の問題にも言及。「我々は中国に対して、特に新疆との関係における人権および基本的自由の尊重、また英中共同声明および香港基本法に明記された香港における人権、自由および高度の自治の尊重を求めることなどにより、我々の価値を促進していく」とした。

ジャック・ダットン

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中国、原発の燃料棒破損と発表 放射性物質の濃度が上昇
6/16(水) 18:43配信 共同通信

 【北京共同】中国広東省の台山原発から放射性希ガスが大気中に放出されたと報じられた問題で、中国生態環境省は16日、同原発の燃料棒の破損により冷却材中の放射性物質の濃度が上昇したと発表した。情報公開を求める国際世論に押される形で、問題が起きていたことを初めて認めた。技術や安全面の基準は満たしていると強調した。

 中国は海外メディアが報じるまで関連の情報を公表していなかった。中国は原発の拡大路線に傾いており、管理の不透明さに懸念が強まりそうだ。

 発表によると、問題が起きたのは台山原発1号機の原子炉内で、6万本余りの燃料棒のうち「5本前後」が破損した。

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ほんとに5本前後かどうか。
新型コロナウイルス感染症もそうだが、
この国の報道発表は、全く信用できない。

福島第一原発の処理水放出について
中国報道官は、葛飾北斎の浮世絵を模倣し、これをやゆするイラストをツイッターに投稿した。

中国の原発が処理水も含めてしっかり管理できているのか
全くもって疑わしい。

下記、4月28日NHK

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中国報道官 処理水の海洋放出 やゆするイラストを投稿
2021年4月28日 9時18分 NHK

日本政府が東京電力福島第一原子力発電所のトリチウムなどの放射性物質を含む処理水を国の基準を下回る濃度にして海に放出する方針を決めたことをめぐって、中国外務省の報道官が、葛飾北斎の浮世絵を模倣し、これをやゆするイラストをツイッターに投稿していたことが分かりました。日本政府は外交ルートを通じて中国側に厳重に抗議し、削除を求めています。

日本政府の決定をめぐって、中国外務省の趙立堅報道官は、江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」を模倣し、これをやゆするイラストをツイッターに投稿しました。

イラストでは、原画の富士山が原発に置き替えられ、船に乗った人が、バケツから緑色の液体を海に流す様子が描かれています。

趙報道官は、中国のイラストレーターが描いたものだとして「もし北斎が生きていたら、彼も非常に心配しているだろう」などと英語で書き込んでいます。

これに対し、日本政府は外交ルートを通じて中国側に厳重に抗議し、削除を求めています。

中国政府は、今回の日本政府の決定を繰り返し批判していて、趙報道官も今月14日の記者会見で「太平洋は日本の下水道ではない」などと述べていました。

趙報道官のツイートはこれまでもたびたび物議を醸していますが、中国国内ではツイッターの利用は制限されていることから、国外に向けて自国の主張を宣伝するねらいがあるとみられます。

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