<大規模停電>首都ダウン、迫る闇 消えた信号機 自家発電で手術
下記、産経新聞
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大規模停電 首都ダウン、迫る闇 消えた信号機 自家発電で手術
産経新聞 10月13日(木)7時55分配信
東京都内で12日午後に発生した停電は、計11区の約58万6千軒に影響を及ぼす大規模なものだった。中央官庁や住宅街では突然照明が落ち、交通網も寸断されるなど首都中枢は一時まひ状態に陥った。
◆噴き出す黒煙
12日午後2時50分ごろ、都境に近い埼玉県新座市野火止にある東京電力の関連施設から、煙が上がった。
「ボンという音が突然聞こえて、車がぶつかったのかと思った」。施設近くで働く男性会社員は当時の様子をこう振り返る。まもなく地下から炎と黒煙が噴き出し、消防車が駆けつけた後は化学消火剤の刺激臭が立ち込めた。
火災は午後6時40分ごろ、ほぼ消し止められたが、これにより都内への送電が一時ストップ。夕暮れの都内を大混乱に陥れた。
◆人あふれる駅
JRをはじめ複数の鉄道が乗り入れ、都内有数のターミナル駅として知られる池袋。「少々お待ちください」。一時運転を見合わせた西武池袋線の池袋駅では激しい混雑で構内への入場制限を行い、改札前では駅員が拡声器を手に説明を繰り返した。運転再開後も電光掲示板には、電車の出発時刻に「0時00分」の数字が並ぶなど混乱が続いた。
「学校から帰宅途中に巻き込まれた。今はテスト期間なので、早く帰って勉強したいのに」と練馬区に住む高校1年の日名子(ひなご)力さん(15)。大阪で単身赴任中の夫のもとから帰京したばかりという主婦の芦田陽子さん(30)は7カ月の長男を抱え、「荷物も多いし、ベビーカーも乗せなきゃいけないし…」と困惑の表情を浮かべた。
警視庁によると、都内では約200カ所の信号機が一時消灯し、池袋署管内では10カ所以上で信号機が止まった。池袋駅東口近くの交差点では午後6時すぎまで赤色灯を点滅させた白バイや警察車両が停車し、5人ほどの警察官が灯火を手に笛を吹きながら車を誘導していた。
◆裁判ストップ
豊島区の病院には外来患者が約20人、入院患者が約40人いたが、災害時用のランタンを照明として使ってもらった。自家発電に切り替えて手術は続行。電子カルテが使えなくなり、男性職員は「処方箋が出せなくなって外来診療は中止せざるを得なかった」と話した。
東京地裁や高裁が入る東京・霞が関の庁舎も薄暗くなった。民事訴訟が行われていた4階の法廷では照明の半分が消え、一時審理がストップ。再開したものの空調が止まって蒸し暑くなり、弁護士は扇子であおぎながら尋問を続けた。
東京高裁によると、東京家庭・簡易裁判所合同庁舎では停電の影響でエレベーター10基のうち、2基が停止した。職員1人と来庁者4人が閉じ込められ、約30分後に救出されたという。
文部科学省では、書類を小脇に抱えた男性職員が「こんなときになんで停電するのか…」と言いながら、薄暗い階段を急いで駆け上がっていった。
パソコンも電源が入らず普段文書のやり取りをしているメール機能も使えなくなった。
若手職員は「国会開会中の忙しいときに限って停電とは。全く仕事にならない」とぼやいていた。
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清水町役場では、停電が起きた際は、
蓄電システムが働き、
その後、自家発電機を起動させ、
72時間業務を継続することができる。
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