<熊本地震>地下水汚濁、復旧阻む 地震の強い揺れ一因か
下記、静岡新聞
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熊本で地下水汚濁、復旧阻む 地震の強い揺れ一因か
静岡新聞(2016/4/21 07:14)
地震が相次いでいる熊本県で続く断水は、地下水の汚濁が復旧の障害になっていることが21日、被災自治体や日本水道協会への取材で分かった。地震で繰り返された強い揺れが一因とみられる。熊本県は全国有数の地下水源を誇り、水道水の8割を地下水で賄う。汚泥のろ過設備がなく、自然に水質が改善するのを待つ必要があるという。災害に強いとされてきた地下水源の弱点が露呈した形となった。
21日で地震発生から1週間。厚生労働省によると、熊本県では20日現在、約9万世帯で依然断水が続いている。水道管やポンプが復旧したものの、濁ったままの水が出て、飲用として使えないケースも多い。
熊本県は降水量が多く、阿蘇山の噴火で貯水能力が高い地層が形成され、多くの湧き水が飲料基準を満たしている。ろ過をせず、滅菌と塩素処理だけで供給している自治体が多い。
菊池市では水源を100%地下水に依存。甚大な被害を受けた益城町や南阿蘇村と比べると、建物の損壊は少なく、水道設備にも大きな被害はなかったが、水質は改善していない。市の担当者は「汚濁解消時期の見通しは立たない」と話す。
日本水道協会によると、川の水を浄化する地上施設に比べ、地下の取水施設は地震による損壊を受けにくく、災害に強いとされてきた。ただ地下水は流れが弱いため、一度濁ると元に戻るまで時間がかかる。東日本大震災では、津波で海水が入り、地下水が使用できなくなるケースがあった。
水道協会の木村康則工務部長は「ポンプで水をくみ出し続けて、濁りがなくなるのを待つほかない」。室崎益輝神戸大名誉教授(防災計画)は「豊富な水資源が裏目に出た形だ。復旧までは、給水車の派遣やペットボトル飲料水の十分な配給が必要」と強調した。
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清水町では、清水中学校グランド北側、総合運動公園北側駐車場、外原町営野球場駐車場に
それぞれ100トンの貯水タンクがあり、
災害時等、断水した際には、住民の方が生活用水として使うことができる。
また、昨年3月に独立行政法人国立病院機構静岡医療センターと「災害時における地下水供給に関する協定」を締結している。
静岡医療センターが、災害時に医療活動に必要な水を確保するため、
地下水を浄水処理するろ過施設を病院敷地内に整え、
災害発生時に医療活動で必要な水を確保した上で、
余剰分を地域住民に無償で供給していただける。
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