<紙おむつを燃料化>鳥取県伯耆町
下記、7月22日の時事通信と4月9日の読売新聞
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紙おむつを燃料化=鳥取県伯耆町
【平成26年7月22日】時事通信
鳥取県伯耆町は、使用済みの紙おむつを加工したペレットを燃料とするボイラーを町営温泉施設に設置した。地産地消のエネルギーをつくり、ごみの減量化や二酸化炭素(CO2)の削減につなげる狙い。自治体が紙おむつを燃料として使用するのは全国初という。
町は二つある焼却炉を老朽化などに伴い一つに集約するため、ごみの減量化を検討。特に水分を多く含む紙おむつは燃えにくく、焼却炉への負担が大きいことから、2010年度から鳥取県内のメーカーと協力して燃料化する実験を進めてきた。
11年度に、紙おむつを細かく砕いたものを円柱形型に固めてペレットにする燃料化装置をメーカーが開発し、清掃センターに設置した。さらに今回、紙おむつのペレットでも長時間燃料として使用できるボイラーを輸入・改良し、温泉施設に置くことにした。温泉の温度を上げる補助ボイラーとして利用する。
ボイラーの購入・設置費は約3300万円。紙おむつは、病院や老人福祉施設、保育所など計10カ所から1日約500キロ集める。紙おむつのペレット使用により、年間に約120トンの可燃ごみや2割(約260万円)の燃料費、約31トンのCO2を削減する効果が見込めるという。
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紙おむつで温泉沸いた…鳥取・伯耆町事業化
(2014年4月9日 読売新聞)
使用済み紙おむつの燃料化事業を進めてきた鳥取県伯耆町は、紙おむつ製の燃料ペレット専用のボイラーを開発し、8日、同町大殿の町営温泉施設「岸本温泉ゆうあいパル」に設置した。
可燃ごみの減量化や施設の燃料費の節約が図れるとしている。ボイラーの開発・設置費用は3300万円。
使用済み紙おむつは、多量の水分を含んで燃えにくい上、いったん燃え始めると急激な温度上昇で焼却炉を傷める原因となっていた。
そこで同町は使用済み紙おむつを燃料のペレットにする技術を開発し、2011年、町清掃センターに紙おむつをペレット燃料に加工する装置を併設した。町内の病院や老人福祉施設、保育所から紙おむつを1日400~500キロ収集し、150キロのペレットを生産している。
しかし、紙おむつのペレットは、木質ペレットに比べ大量の燃えかすが発生するため、通常のボイラーでは長時間運転できなかった。そこで王子製紙の関連会社・王子エンジニアリング米子事業部(米子市)などとともに専用のボイラーを開発した。
ボイラーは、ペレット約150キロで5時間ほど稼働でき、温泉施設で使うプロパンガスを2割ほど節約できるという。
落成式に出席した森安保町長は「エネルギーの〈地産地消〉にこぎつけられた。ごみ減量は全国に共通する課題。その解決の一つのモデルとなる」と話していた。
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今後、この装置が安定的に稼働し続ければ注目すべき装置になる。
どこの自治体も紙おむつの焼却場での処理には頭を痛めているからね。
○伯耆町「全国に先駆けたエネルギーの地産地消サイクルシステム」
http://www.houki-town.jp/new1/16/65/
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