<一般質問>宮城県利府町と北海道七飯町との災害応援協定

清水町議会議員 松浦俊介

2012年12月05日 19:11

下記、今日行われた一般質問原稿

*******************

11月16日に宮城県利府町と北海道七飯町との間で、「災害時等における相互応援に関する協定」が締結されました。
昨年、6月議会で利府町との災害応援協定の可能性について質問をし、こうして締結されたことにとてもうれしく、また心強く感じます。

協定締結前の10月に同僚議員とともに利府町と七飯町に視察してまいりました。
利府町は、ご承知の通り宮城県のほぼ中央部に位置し、総面積は44.75平方km、東西が約12km、南北が約7km。
仙台市の中心部までクルマで約30分の通勤通学圏でもあり、新興住宅団地を中心に人口の増加傾向が続いています。人口は、11月末で35,676人です。

利府町は、平成7年11月に塩竃市や多賀城市など県内の自治体とは災害応援協定を結んではいましたが、今回の震災では、締結先の自治体も被害を受け、ほとんど役に立たなかったとのことです。
県外の自治体との災害応援協定は初めてで、宮城県内の自治体の中でも珍しいとのお話でした。

また、七飯町は、内陸の町で函館市から北西に16kmに位置し、函館市中心地から北側へ車で30分ほどです。人口が10月末で28,854人、面積は216.61平方km。町内には大沼公園があり、北側には雄大な駒ヶ岳がそびえています。
西洋式農業は発祥の地で明治2年に函館奉行の榎本武揚がドイツ人と条約を結び、そのドイツ人が現在の七飯町に洋種農産物の種子などを移入栽培したとのことです。

翌年、ドイツ人から土地を取り戻し、官園としてりんご、男爵いも、さくらんぼ、チーズ、ホップなどの栽培が行われるようになり、現在、観光と農業の町として発展しています。
ただ、観光については、以前は年間300万人近い観光客が訪れていましたが、現在は、165万ほどだとのことです。

七飯町と利府町との関係は、七飯町が平成27年開業予定の北海道新幹線の総合車両基地が設置される関係で、東北新幹線の車両基地のある利府町と交流するようになり、災害応援協定について震災を契機に清水町を含めた3つの自治体で締結することになったと聴きました。
七飯町から西に3キロの北斗市には、新幹線新駅が設置されます。

内陸の町ですが、海岸に近いところは、海抜7mほどでありますが、高規格道路が通っていて津波が押し寄せても直接の被害を受ける危険性は低いとのことです。
一番の災害の危険性は、北に位置する火山の駒ケ岳でありますが、麓には大沼があり、溶岩等が直接、中心地に流れ込むことはないだろうとの安心感が住民にはあるようであります。
災害に対する危機は、それほど高くないように見受けられました。

北海道の自治体は、全ての自治体が平成20年6月に災害応援協定を結んでいます。
北海道は広いので、全ての地域が大規模災害に見舞われる危険性は低いと思わるので、こちらについてはかなり有効です。
遠方との災害応援協定は、これまでなく、国内では香川県三木町と姉妹都市提携を行っているとのことです。

今後、災害時に、円滑に支援ができるようにするには、お互いに相手の自治体を理解する必要があり、協定を締結したことだけに終わるのではなく、顔の見えるかたちでの交流が必要だと思われます。
これからの両町との交流の在り方について町の考えを伺います。

【答弁】町長
 町では、去る11月16日、私と岩崎議長、そして山下教育長や関係職員の出席のもと、宮城県の利府町におきまして、北海道七飯町を加えた3町の間で、「災害時等における相互応援に関する協定」を締結いたしました。

 この協定では、東日本大震災のような大規模で広範囲にわたる地震災害や甚大な風水害などが発生した際には、被災自治体単独での対応には限界があることから、職員の派遣、資機材、食料や生活必需品の提供、被災者の受け入れなど、幅広い応援や復旧対策が講じられるよう、相互に協定を締結したものであります。

なお、これまでの当町と利府町との交流につきましては、町民から寄せられた支援物資や義援金をお送りしたことが契機となったものでありますが、震災の復興段階を迎えた利府町からの発案で、利府町と以前から交流のあった七飯町を含めた3町の間で相互応援協定を締結する運びとなったものであります。

お尋ねの今後の交流につきましては、防災に関する情報交換はもとより、平常時からの行政間の交流に加え、体育や文化、小・中学生等といった幅広い分野においても相互の理解と交流に取り組む中で、議員から御指摘のありましたように、3町の絆が深まり、顔の見えるような関係を構築してまいりたいと考えております。
よろしく御理解を賜りますようお願い申し上げます。

【まとめ】
行政間の交流では、職員の派遣も一つの方法だと思います。清水町では、県や沼津市に職員を派遣し、過去には、北海道清水町に職員を派遣したこともありました。
震災時には、清水町も6人の職員が被災地に派遣されたと聞いています。災害時には、特に専門職の職員が必要になるとのことで、普段から土木技師や保健師の職員などを相互に派遣すれば、災害が起きた際によりスムーズに支援ができる可能性が高まると思います。
今後、利府町や七飯町との交流が深まることを願いしまして次の質問に移ります。

関連記事