「ふるさと納税で保育園落ちる」のデマはなぜ流れた?デマや噂が広がるにはそれなりの理由が

清水町議会議員 松浦俊介

2019年02月10日 09:18

下記、6日のTHE PAGE

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「ふるさと納税で保育園落ちる」のデマはなぜ流れた?デマや噂が広がるにはそれなりの理由が
2/6(水) 19:32配信 THE PAGE

 他の自治体にふるさと納税をしていると、保育園の選考で不利になるという噂がネットで流れています。結論から言うと、それは事実ではなく、ふるさと納税によって保育園の選考基準が変わることは原則としてあり得ません。しかしながら、噂というのは社会を映す鏡でもあります。なぜこのような噂が流れる結果となったのでしょうか。

 ふるさと納税は、個人が任意の自治体に寄付をすると、その寄付金額の一部が所得税や、現在住んでいる地域の住民税から控除されるという制度です。これはあくまで寄付行為ですが、住んでいる地域の税金が免除され、他の地域の税収に振り替わる仕組みなので、実質的には税金ということになります。

 当初は地味な制度でしたが、やがて、より多くの寄付を集めようと、豪華な返礼品を用意する自治体が続出。内容もエスカレートしてきました。こうした事態を受けて総務省が対策に乗り出し、今年の6月から、一定基準を超えた場合には、控除の対象から外れることになっています。

 こうした中、ネットの一部では、他の自治体にふるさと納税をしていると保育園の選考で不利になるという噂が流れていますが、これは誤った情報であり、ふるさと納税の有無で選考基準が変わることは原則としてありません。

 単なるデマということですが、デマや噂にはそれなりの発生理由があるものです。

 今回のケースは、ふるさと納税制度というものが、住民にとって必ずしもフェアな制度とは言えないという部分が大きく関係していると思われます。

 民主国家の大前提として、地域の行政サービスについては、サービスを受ける人が税金を負担するという受益者負担の原則というものがあります。東京に住んでいる人が、四国のある地域にふるさと納税をした場合、四国の自治体にはお金が入りますが、東京にはお金が入りません。しかし四国にふるさと納税した人(つまり東京での納税額が低い人)は、ふるさと納税していない人(東京での納税額が多い人)と同じ行政サービスを東京で受けることができますから、制度が行き過ぎると税の公平性が保てなくなります。こうしたことから、一部の識者はこの制度は、税の根幹を揺るがすものとして、実施すべきではないと強く主張しています。

 制度の是非はともかく、ふるさと納税した人は他の人に比べて、今住んでいる地域への納税額が小さいわけですから、何かのペナルティがあるとイメージする人が出てきても不思議はありません。


(The Capital Tribune Japan)

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出身自治体や被災地など、その自治体を応援したいという趣旨ではなくて、
返礼品目的になっているのが問題。

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